白衣の天使じゃないけれど (ページ36)

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「おーい、ついに康二の魂が抜けたぞー！」
　ハッとすると、さっくんの言葉に近くにおった数人のメンバーが集まる。
「どうした康二。今日静かじゃん」
　しょっぴーはヘラヘラ笑いながらも心配してるみたい。
「いや……初心に返ろうと思って」
「は？」
　しょっぴーが首を傾げる中、俺はスマホの中のAの写真を見つめる。
　ジャニーズなクセになんの格好もつけれずに、ダサいの丸出しでオドオドした俺を選んでくれたAには感謝しかない。
　それが今や同棲してる仲。
　一緒におってくれてありがとうと、心の中で手を合わせた。
「ねぇ康二くん！またAさんの唐揚げ食べたいなー！」
「お！それなら俺も行くー！」
「じゃあ今度は俺も行こうかなー」
　ラウールに続き、さっくんも阿部ちゃんも乗り気になって、俺の初心に返ろうとした心があっさり崩れ去っていった。
(なんでAはこんなに好かれるんや……)
　俺が頭を抱えると、ふっかさんが俺の肩をそっと叩く。
「ドンマイ」
　ニヤリとした笑みに、俺は思わず髪を掻き毟った。