私の両親はお医者さん。 (ページ14)

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story13 ページ14

your side

私は夢を見ていた。

出口が見えないトンネルを歩く夢を見ていた。

怖くて立ち止まりそうな時
『大丈夫だからね』って誰かに言われてた様な
そんな気がしてた…。

歩き進むと光が見えて
光の方へと走ると私は目覚めた…。

A「………ん……」

目を開けると真っ白な天井が見えて
すぐに病院だと言うことが分かった
それと同時に右手に温もりを感じた

慧「……A？分かる？聞こえたら手握って」

温もりの正体はお母さんだった
私はお母さんに返事をする代わりに手を握った

A「…ｷﾞｭ……」

慧「…はぁ。よかった…今他の先生呼んでくるからね」

だんだんと記憶が蘇ってきた
多分、部屋で倒れていた所をお父さんが見つけて
救急車で運ばれてきたんだろう

薮「Aちゃん〜？聞こえる？
　分かったら手を握ってくれるかな？」

A「……ｷﾞｭ……」

薮「意識レベル悪くないから呼吸器から酸素マスク
　に切り替えようか。」

慧「そうだね。喉の管取ってもらえるからね。
　ちょっと苦しいけど、頑張れA」

A「…ｳｯ……ｺﾞﾎｺﾞﾎ……はぁ…」

管を外した時とても苦しかった
今は違和感がなくなって楽になったけれど
まだ上手く喋ることができないでいる

A「…どう…して…ここに…いるの？」

薮「Aちゃんはね、風邪を引いてしまって
　高熱が出て、それに心臓がびっくりして心臓が
　止まりかけていたんだ。そこで君のお父さんが
　救急車でここに運んできてくれたんだよ。」

A「…そっか…。」

薮「ここまで酷くなった原因の１つは
　 Aちゃん、心当たりあるんじゃないかな?」

薮先生にそう言われた時

『ある。薬飲んで無かった。』
こう言えば1番良いのは分かっていた。
でも、言えばお父さんとお母さんにもの凄く
怒られるだろうな…。

自分自身の中で必死にどうするべきかを考えていた
すると突然、右手の方から

『ごめんね』と聞こえた

その状況に驚いて声を出せずにいた