ゆっくりと。(yb×cn)

25(Cn視点〜) ページ25

.
≪side:Chinen≫



「あの時から俺は、俺の人生は、グループに捧げるって決めたんだ」


だからミレイとは別れた。って
キリっとした瞳が僕を真っ直ぐと見つめて言った。



驚いた。
確かに思い返せば週1〜2回コウタの家に行っても彼女と鉢合わせするタイミングは無かった。

私物も女性物があるようには見えなくて
誰が来てもいいように、またリークされないように気をつけているのかなと思った。

彼女さんと宏太の、大事な2人の時間を邪魔しているんじゃないかと内心申し訳ない気持ちでいたのに。





なんだ





「…………そっかぁ」


「ん？」


「コウタは誰のものでも無くなってたんだね。よかったぁ〜

僕 ずっと邪魔してるんじゃないかって不安だったから…」


先程キスされた時に腰が抜けてしまったようで
ゆるゆると動くブランコの下でへたり込んだまま、僕はゆるりと小さく笑みをこぼした。




「違うでしょ」


弾かれたような否定におもわず
意味が分からなくて宏太を見上げれば今日何度も見た困ったような顔で



「なんで侑李は人一倍誰かに愛されたいって思ってるのに、近づくことを怖がって自ら離れようとするんだよ」



「…っ！」



「素直になってよ。俺が彼女いないって知って思ったのはそれだけ？違うだろ？俺といると心臓の辺りが痒くなるって、どういう意味か自分で分かんない？」




「？僕が宏太に依存しかけてるっていう……？」



「違う。俺は涼介とは違うよ」


涼介とは違う……


宏太は、僕の……なに？



.

26→←24

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す