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「バカか」
「うわ」
グイっと腕を引かれてバランスを崩した。宏太に寄りかかるのが嫌で、思わず体を捻ってソファに倒れ込む。
「お前の山田を好きって感情は恋愛じゃなくて、依存だろ。2人が付き合い始めて『悲しい』じゃなくて『寂しい』ね」
「……さみしい?」
そっか
僕は寂しかったのか。
言われてストンと胸に落ちてきた。
ひとりぼっちで取り残された悲劇のヒロインみたいに感傷して、その感情を小学生の八つ当たりのように2人にぶつけて、自ら離れていただけだ。
呆然とする僕に微笑んだ宏太はクシャクシャと僕の頭を撫でてきて、言葉を続けた。
「山田はお前を嫌いになったんじゃ無い。圭人を好きになったの。そして俺は今後もお前を嫌いにはならないし、お前は今まで通りでいいの。 わかった?」
「……」
あれ、だけど
「いや、でも…やっぱりダメだよ。」
「も〜なんで?」
まだ何かあるのかと宏太は眉間にシワを寄せて見下げてきた。
「僕、コウタといると変なんだ
楽しくて、居心地が良過ぎて、どうしようもなくこの辺りが痒くなることがあって。もうコウタにも依存しちゃってるのかもしれない…」
「ね、よくないでしょ?」と鎖骨あたりを掻いてみせながら訴えると宏太は目を見開いた。
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ハニ(プロフ) - はじめまして。Jamさんのせつない文章が大好きです。楽しみにしています。 (2018年1月20日 8時) (レス) id: 6cb3c90744 (このIDを非表示/違反報告)
Jam(プロフ) - Redさん» ありがとうございます!完結まで頑張ります! (2017年9月17日 0時) (レス) id: 01e5310ad7 (このIDを非表示/違反報告)
Red(プロフ) - やぶちねがどうなっていくのかとても気になっていたので更新再開といても嬉しいです! (2017年9月11日 14時) (レス) id: 9f828dfe9c (このIDを非表示/違反報告)
とら - 再開待ち望んでいたので嬉しすぎます!ありがとうございます!作者さんの書かれる二人の関係性が凄く好きです。更新頑張ってください! (2017年3月4日 8時) (レス) id: 0433fd2f1d (このIDを非表示/違反報告)
ぱれ(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです(´;ω;`)更新再開してくださるの、待ってます。 (2016年12月27日 22時) (レス) id: fc214221f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2016年3月12日 4時