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14(Yb視点〜) ページ14

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≪side:Yabu≫




俺のうちに着くと、知念はこなれた様子でこの家で1番好きだというスプリングのきいた大きめなソファへと我が物顔でしかしちんまりと座る。


すると、また決まって俺は冷蔵庫から炭酸ジュースを取り出して、グラスに一杯注いでから手に持ち一般男性より幾分かサイズがコンパクトな男の目の前にコトリと置いてやる。


「わ、ありがとう」


いつもここで必ず知念は「ありがとう」と言う。
そんなの常識だけど、何度目か分からない恒例となった状況にもしてもらって当たり前だと受け流さない奥ゆかしさが俺が知念を好きだなと感じる部分であったり。



「で、ちぃちゃん。なにがあったのよ」


「わ〜薮さん今度は早速ですか〜」


ちびちびと炭酸ジュースに口をつけていた小人の隣にどかっと腰掛けて彼を一別する。


「だって言い出すまで待っとこうと思ったけど、そしたらお前"もうこのまま言わずに帰れるかも"って顔したから」


「うっ……」


やっぱり。図星を突かれた顔をして下を向く知念に思わずため息が溢れる。
何をしていても愛おしさを感じるけれど唯一こいつの1人で解決しようとする癖が俺はすごく気にくわない。



「泣きたい?」


「ううん、…なんか今日宏太とずっと居て
スッキリしたって言うか、落ち着けたから平気」



「それはよかった。」


両手を広げてみせればゆっくりとグラスをテーブルに置いて、俺の胸の中へと小さな体を預けてきた。

ギュッと抱きしめてやれば額を擦り付けながらズズッと鼻をすする音と、暖かくて冷たい感覚が胸についた。


少し後押しすればこうやって頼ってくれるのが
可愛くて仕方ない。
これをもっと自主的にしてくれれば安心するのに。



さすがに、弟を見守る兄ちゃんの感覚としては
過保護過ぎるかな。


でも何故か知念のことはほっときたくない。
大事にしたい。笑ってほしい。
そう思わずにはいられない。


これはもう、そういうことなんだろう。




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ハニ(プロフ) - はじめまして。Jamさんのせつない文章が大好きです。楽しみにしています。 (2018年1月20日 8時) (レス) id: 6cb3c90744 (このIDを非表示/違反報告)
Jam(プロフ) - Redさん» ありがとうございます!完結まで頑張ります! (2017年9月17日 0時) (レス) id: 01e5310ad7 (このIDを非表示/違反報告)
Red(プロフ) - やぶちねがどうなっていくのかとても気になっていたので更新再開といても嬉しいです! (2017年9月11日 14時) (レス) id: 9f828dfe9c (このIDを非表示/違反報告)
とら - 再開待ち望んでいたので嬉しすぎます!ありがとうございます!作者さんの書かれる二人の関係性が凄く好きです。更新頑張ってください! (2017年3月4日 8時) (レス) id: 0433fd2f1d (このIDを非表示/違反報告)
ぱれ(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです(´;ω;`)更新再開してくださるの、待ってます。 (2016年12月27日 22時) (レス) id: fc214221f6 (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2016年3月12日 4時

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