SeaSide Princess 【stxxx】

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【Purple Side】




この人が株式会社BRDZの社長、
そしてAちゃんのお父さんかぁ…

第一印象は厳しそうな人。

怯える彼女を見ては彼女の肩を掴む、
雛瀬社長の腕を剥がす。



この人は自分が怯えられてる、怖がられていることを
理解出来ていないのか…

散々娘をこき使っておいて、
自分の思い通りにならなければ脅す……




は、笑わせてくれるね。





別室に案内すればドカッと座る雛瀬社長。

さとみくんが用意したアイスコーヒーを
グビグビと口に含んでいく。

子供あんな良い性格して可愛いのに
親がこれじゃなぁ。

なんて失礼なことを考えながらも本題に入る。



「娘さんの件ですよね、雛瀬さん。」

「あ？そうだよ、返してくれんかね。
Aは会社を継ぐことになってる。決定事項だ。」

「前にも電話で言いましたが、
彼女はこの会社に必要不可欠な存在でございます。
安易に手放すわけにはいきません。」

「うちの会社にも必要なんだ。
あいつがいなくなってから会社が回らない。
Aはできる人間なんだ、なのに…親不孝者が。」



この人、Aちゃんのこと全然わかってねーじゃん。

よく俺の娘って…くそ。腹立ってきた。




「僭越(せんえつ)ながら、あなたよりも僕の方が
娘さんのことを理解しているみたいですね。」

「は？どういうことだ。」




はは、Aちゃん。盗み聞きしてるね？

ドアに耳当ててるの報告来てるからね？



耳につけてる小型Bluetoothイヤホンから
聞こえてくるさとみくんとジェルくんの声。


お願いしてたんだよね。

彼女が乗り込まないように注意してねって。



《なーくん、めちゃめちゃAちゃん耳あててんで》

《なーくん雛瀬が仕事放ったらかしてまーす。》



あはは、Aちゃん愛されてるねぇ。




ねぇ、雛瀬社長？
あんたは娘をこうやって愛してんの？



聞かせてもらおうか、

あんたの意見をさ＿＿＿





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