検索窓
今日:8 hit、昨日:1 hit、合計:90,914 hit

*電話と決着と宣戦布告と ページ38

.




さとみさんの家を後にして、
私は自宅に戻った。


泣き疲れちゃった。


目、腫れちゃってるよね…
明日仕事あるのに…

メイクで誤魔化すことできるかな?



なんて思ってるとカバンの中でスマホが鳴る。



知らない番号だった。

企業さんとかだったらあれだし…

私はその電話に出てみると
二度と聞きたくない声が私の耳に入ってくる。





《久しぶりだな。》

『……なんで…』

《お前今どこにいるんだ?》

『教えません。いくらパパでも。』

《あ?社長に向かって何だその態度は。》




怖い…怖いっ、怖い怖い怖いっ…!

誰か助けて……




『退職願を渡したと思うのですが。』

《受理されるわけないだろうが。》

『私、もう他のところで働いてるので戻る気はありません。』

《お前は俺の会社を継げ。》

『嫌です!』




誰か来て……お願い…誰かっ……




すると私の手からスマホがヒョイっと
取り上げられる。



『え…なんで……』





「初めまして。株式会社STPR社長、七森と申します。
Aさんは弊社で大変良い成績を残してくれています。
我々の会社で必要不可欠な存在でございます!
なので…








そちらの会社に渡す訳にはいきません!

何卒、ご理解の程お願い致します!失礼します。」




何も聞こえなくなったスマホを
手渡ししたのは、なーくんだった。





「ごめんね、遅くなって。」

『なーくん…!』

「なんだか嫌な予感したんだ。戻って正解だった。」




抱きしめてくれるなーくんは、
泣きじゃくる私の頭を優しく撫でてくれる。




「てか勝手に部屋入っちゃってごめんね?」

『大丈夫…れす…グスッ』

「はは、泣かないのー。」

『なーくん、ごめんなさい…もしかしたら会社…』

「あー…」




考え込むなーくんは険しい顔をしては
私の顔を見て苦笑いをこぼす。




「なんとかなるよ!」

『えぇ…』

「大丈夫だから。ね?」







ふわりと笑ううちの社長さん。

素敵な人に出会えてよかったな、
そう思えた瞬間だった。



それと同時に罪悪感も残った。



ごめんなさい……




神様、

どうかこの人たちが
今のままでいられますように…




.

〇→←〇



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (81 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
121人がお気に入り
設定タグ:すとぷり   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

無気力に自信が有る人 - さとみくんかころんくんオチだと思っていたのに、なーくんだったから驚きました!この作品大好きです! (2021年12月20日 1時) (レス) @page50 id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
桜あやや(プロフ) - 株式会社ブルドーザーwww昨日プール言った筈なのに海行きたくなる名作でした(uωu*)めあちゃん処女作で文才ありすぎでしょ〜…めちゃめちゃ感動した…! (2021年7月27日 9時) (レス) id: 90426be14c (このIDを非表示/違反報告)
めあり(プロフ) - 柏木。@低浮上さん» 少し恥ずかしいグダグダ作品だよw(;▽;) (2021年2月4日 23時) (レス) id: 9f1dd59455 (このIDを非表示/違反報告)
柏木。@低浮上(プロフ) - わらが女神、めありの原点。 (2021年2月4日 23時) (レス) id: d5d685891e (このIDを非表示/違反報告)
めあり(プロフ) - すとぷり好きさん» コメントありがとうございます!わぁぁそうなんですね(;▽;)涙までありがとうございます(;o;) (2020年8月5日 8時) (レス) id: 9f1dd59455 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:めあり | 作成日時:2020年6月8日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。