SeaSide Princess 【stxxx】

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【Orange Side】





Aちゃんの話は酷なものだった。


逃げだしたい、死にたい、辞めたい、つらい
そんな言葉を涙と一緒に吐き出している彼女を見ては



胸が苦しくなった。



社長令嬢にしか分からない気持ちなどを
吐露したがただ1つ、俺が思ったのは

助けたい、ただそれだけだった。





さとちゃん家を後にして俺はなーくんと帰路を歩く。

隣にいるなーくんは思い詰めた顔をしている。

多分また1人で考えては1人で抱え込むんやろうな。


なーくん、そーゆーとこ悪い癖やで？



俺はなーくんの肩に腕を回して
先程さとちゃん家の前の自販機で買った、
オレンジジュースを口に含んだ。




「なぁに、ジェルくん？」

「んー？なんもあらへんよー。」

「嘘つきw」




なーくんはブドウジュースの缶を両手で持って
それをコクコクと少しずつ飲んでいく。




「…あんま思い詰めんでな、なーくん。」

「あー…ごめんね？ジェルくん。」

「今回の件は俺らはあまり介入したらあかん気がするんよ。」

「まぁ、そうだよねぇ……」




缶を持った両手がキュッと力が入るのが見えた。
関わる気満々やったんかな？うちの社長さんは。




「Aちゃんが本当に助けがほしい時に
助けるんが一番ええと思うよ。」

「うん…」

「俺のカンなんやけどな？まだその時やないて思う。
気長に待ってみぃひん？時間が許されとる間くらいさ。」

「そうだね、ありがとう。ジェルくん。」




心配なんよ、Aちゃんのこと。

やから少し距離を離した方がいい時だってある。



でも俺が1番心配なんは、なーくんなんよ。



1人で抱え込むし、もし彼女が連れ戻されたら
1番後悔するのは多分この人やから。






みんなが笑顔で幸せでいられる方法を
俺らで探していこうな。







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