SeaSide Princess 【stxxx】

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【Red Side】




るぅとくんの家で俺の大好きなレモネードを
たらふく飲んだ。

萌黄家自家製レモネード。
この町の名物といっても、誰もが納得するほどの
美味しいドリンク。



「じゃあね、るぅとくん。ご馳走さまでした♪」

「うん、おやすみ、莉犬。気をつけてね？」

「ありがとう〜、おやすみ〜」




るぅとくんの家を後にしてから
俺は俺の大好きな場所へ向かった。


嬉しい時でも、悲しい時でも、イライラしてる時でも
支えてくれて、受け入れてくれる。






＿＿＿＿＿＿海だ。







到着してすぐに海へダイブしてはすいすいと泳ぐ。

夜の海は綺麗で冷たい。

今日は星空までセットでついてきては
さらに綺麗さを増している。



海に仰向けに浮かんでみれば
星空をただ、ボーッと眺めてみる。

あー、すご。綺麗だなぁ。





「なーんで俺、あんなこと言っちゃったんだろ。」




"最終的にどの道を選ぶかは雛瀬ちゃんが決めるんだし
選んだ道を笑顔で応援するのが俺らの役目だと思うんだ"


さっきるぅとくんに伝えた言葉だ。





「いい顔しちゃってさ、俺、馬鹿みたいじゃん。」




星空を眺める俺の目から涙が溢れだしてくるのが分かった。





「本当はずっとこの町にいてほしいくせに。
この町を、俺らを…………俺を…選んでほしいくせに……
心にもないことばっか並べちゃって…うっ……」






いやだ、行かないで、どこにも。

雛瀬ちゃん……



君が初めてなんだ。



見ず知らずの俺をあんなに心配してくれたのは。



君が初めてなんだ。



全部全部。君が初めてをくれるんだ。






「雛瀬ちゃん………ひなせ…ちゃ…」








俺はその日の夜、

泣きじゃくることしかできなかった。




大好きな君を思いながら＿＿＿







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