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【Pink Side】





雛瀬が帰ったあと、
ころんは冷えピタを片手に寝室に入ってきた。


こいつまじで看病するつもり?
え?できんの?




「A、帰ったよ。」

「そっか。」

「……ねぇ、さっきの話聞いてどう思った?」



深刻そうな顔をするころん。
俺と目を合わさず足元を見つめている。



「んー、どう思ったってか。んー。
助けたいなーって思ったよ。」

「それだけ?」

「それ以外に何を思うんだよ、
あいつは同情なんか求めてないと思うけど?」

「そうじゃなくて……」

「じゃあなんだよ、探り入れるのやめろ、正直に言えよ。」



少しキツめに言うと、
目の前の彼は肩を震わせてはキッと睨みながら口を開いた。



「さとみくん、Aになにしたの。」

「あ?なんもしてねーよ。」

「いや、嘘だ。Aと会った時、
顔真っ赤にして手で口元を押さえてた。
さとみくん、もしかして……キスしたの?」



は?こいつ何言ってんだ?
雛瀬にキスなんか………………あー…したわ。

意識が朦朧としてて思い出せなかったけど
言われて思い出したわ…



「あー……ごめん、嘘ついた、したわ。」

「…っ。…さとみくんはAのこと好きなの?」

「んー、可愛いよな、雛瀬。」

「だからそうじゃなくて……」

「逆にころんは好きなんだ?雛瀬のこと。」

「…………好きだよっ…悪いかよ!?」




ころんは雛瀬のことが好きなんだ。

じゃあ俺は?

俺はなんで雛瀬にキスしたんだ?


……まさかだよな。





「おー、そっかそっか!頑張れよ!ころん!」




あまり嬉しくなさそうな顔をする彼の背中を
バシバシと叩いてみる。


そうだ、俺は別に関係ないじゃんか。

雛瀬のことは後輩としか思ってない。


恋愛感情なんてあるわけない。


別に彼女欲しいなんて思わないしな。








俺はまだ理解ができていない中途半端な自分の気持ちを
奥底に追いやっては、閉じ込めた。







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〇→←*6人の王子とその想いと



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作品ジャンル:恋愛
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無気力に自信が有る人 - さとみくんかころんくんオチだと思っていたのに、なーくんだったから驚きました!この作品大好きです! (2021年12月20日 1時) (レス) @page50 id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
桜あやや(プロフ) - 株式会社ブルドーザーwww昨日プール言った筈なのに海行きたくなる名作でした(uωu*)めあちゃん処女作で文才ありすぎでしょ〜…めちゃめちゃ感動した…! (2021年7月27日 9時) (レス) id: 90426be14c (このIDを非表示/違反報告)
めあり(プロフ) - 柏木。@低浮上さん» 少し恥ずかしいグダグダ作品だよw(;▽;) (2021年2月4日 23時) (レス) id: 9f1dd59455 (このIDを非表示/違反報告)
柏木。@低浮上(プロフ) - わらが女神、めありの原点。 (2021年2月4日 23時) (レス) id: d5d685891e (このIDを非表示/違反報告)
めあり(プロフ) - すとぷり好きさん» コメントありがとうございます!わぁぁそうなんですね(;▽;)涙までありがとうございます(;o;) (2020年8月5日 8時) (レス) id: 9f1dd59455 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めあり | 作成日時:2020年6月8日 10時

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