SeaSide Princess 【stxxx】

＊6人の王子とその想いと ページ32

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【Blue Side】





彼女の話を彼女の口から聞いた。



正直言うとさ？胸糞悪いよ。
Aの父親の考え方？ってやつ。


自分の言う通りにならないと気が済まないタイプ。

僕、そういうの嫌いなんだよね。



好きなことして何が悪いの？
第三者から見るとAは酷い扱い方されてるよね。

簡単に言うなら、"生きた駒"。





Aは耐えて耐えて、頑張ってたんだよね。






あー、ダメだ。

彼女が一番泣きたいはずなのに
僕が泣いてしまいそうだ。




終始笑顔で話していた彼女は
どんな気持ちで僕たちに話していたのだろう。



そう考えるうちに次第に胸が苦しくなってくる。



多分これはさとみくんも一緒のこと
思ってるんじゃないかな。


苦い顔しちゃってるしさ。








"なんでこの町に来たのか"


僕が前にAに聞いた質問だ。




あの時、何か言いたげな顔と諦めるかのように俯いた動作。

そしてあの目。



あの時の僕は何もわからなかった。



でもこの話を聞いてから繋がった。

分かったんだ。





あの目は







"助けてほしいときの目"だということを。





『助けてください』と彼女が漏らした本音。

あの時の目と重なった。




彼女はあんなにも早く、誰よりも早く、
僕に助けを求めていたのかもしれない。


なんで気づいてあげられなかったのか。



あー、もう。情けな……





彼女と出会ったおかげで、
愛犬との散歩がより一層楽しくなった。

彼女の笑顔のおかげで僕は自分の事のように嬉しくなる。




彼女に助けられてばかりだ。







だから次は僕が助けたいんだ。









Aだけの王子様になりたいんだ＿＿＿






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