SeaSide Princess 【stxxx】

＊過去の私と回想と ページ28

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私がこの町に来たのは、
"自分の会社を継いでほしいと命令するパパから
逃げるため"だ。



私の前職、"株式会社BRDZ"は私の父の会社だ。



親のコネで入社した私は周りの従業員からの罵倒、
そして、無駄な期待、嫉妬や僻みが少なくはなかった。

そりゃ、王手だもの。

苦労して入社した人からしたら、たまったもんじゃない。


そんな状況での父からの爆弾発言。

”お前は俺の会社さえ継いでくれればいいんだ”

私の中では"無理"の2文字が脳裏をよぎる。


だってね？
私を嫌ってる人なんて沢山いる訳で。

私が会社を継いで着いてきてくれる人なんて
きっとひとつまみ程度。もしくは0。




嫌だったの。

父の敷かれたレールを走る自分が。

耐えられなかったの。

父の言葉に逆らえない自分が。

逃げたかったの。

苦しくて。死にたくて。
どうしたらいいか分からなくなって。


毎日泣いた。
ご飯も食べれなかった。

心配する人なんて誰もいない。

いつも孤独だった。



そんな時、私は見つけたのだ。




"苺谷町"を。




海も綺麗、自然豊かで。

今の環境とは正反対な場所。



行ってみたかった。



ただその感情だけで、
私は行動することを決めた。



父にも隠れて、コツコツと荷物をまとめた。



ここを出ていけば、自由になれる。

ここを出ていけば、幸せになれる。








そうただ、願って＿＿＿。





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