SeaSide Princess 【stxxx】

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桃瀬さんに手土産を渡してお互いすぐに部屋に戻った。




荷物の整理をしながら、




＿＿＿桃瀬さん、かっこよかったなぁ。




なんて考える。






…いやいや、何を考えてんだ私は。



初対面の人だよ？
いい人そうだったけど簡単に人を信じちゃいけないし。

また前みたいになるのはもうごめんだよ。




わぁぁ、ネガティブ思考になってるなぁ。

……少しだけ散歩にでも行ってみようかな。




私はサンダルを履いては足早に家を後にした。





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海沿いを歩けば、
じりじりと肌を焼いてくる紫外線と独特な潮の香り。

そしてキラキラ光る砂浜。



潮風が私の頬や肩をふわりと撫でる。
気持ちがいい。



私は好奇心でキラキラ輝く海に向かっては
靴を乱雑に脱ぎ捨て、足を踏み入れる。



冷たい。


夏のせいで高くなっていた体温を
ゆっくりゆっくりと下げてくれる冷たさ。

海に浸かる足が綺麗に見えるくらいの透明度の高さ。





とても綺麗……








「ねぇ、なにやってんの？」






後ろから声が聞こえてくる。
少しがさついた独特な声質の声。

振り返るとそこには海と同じ色の瞳の男の子。

足元には白色の子犬がうろうろしている。
犬のお散歩中っぽい。






『えっと、その、海が綺麗だなって。』





なにやってんの？って聞かれても
"遊んでます"なんて言えないし……





「旅行の人？」


『あ、いえ、今日引っ越してきた者です』


「ふーん、名前は？」


『雛瀬です。』





海色の彼はどんどん近づいてきては
私の隣に並んで立った。






「僕は"青葉 ころん"。ようこそ、雛瀬ちゃん。」








目を細めて微笑む彼の顔は
眩しくて吸い込まれそうなくらい





美しかった＿＿








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