48--鼻水勘弁 ページ48
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_____!
___てくれ!!
段々と近付いてくる。優しい、暖かい声。大好きな……
「___A!!!」
名前を呼ぶ声と共に強く私の片手が握られた。
重い瞼をゆっくりと持ち上げれば、視界に入り込んだのは
「……………そんな、泣きそうな顔しないで…炭治郎」
「っ……!A!!」
大きな瞳に今にもこぼれ落ちそうな程に涙を溜めて私を見つめる炭治郎の姿。
心配しすぎだって…。
握られているのとは逆の手で炭治郎の頬をツーっと撫でる。
「大丈夫、だったでしょ?だから、笑って」
「……、…ああ。ああ!……良かった…!」
炭治郎はボロボロと溜めていた涙を零して私に笑顔を見せてくれる。
泣きながら笑うって忙しなぁ。全く。
………こんな時にあれだけど、出産した時の立ち会いってこんな感じじゃない??炭治郎の手の握り方といい、泣き方といい、なんか。私炭治郎の子供産んだみたい((
突然開いた扉からカタリと物の落ちる音と共に再び私を呼ぶ声が聞こえた。
「……………Aちゃん…?」
「ん?……あ、ぜんい」
「よがっだよぉぉォォォォ!!!お、おで、てっぎり、もう…ダメがどおもっでェェェ!!!」
「わ、わかった!感動の再会的な場面なのは分かったからせめて鼻水垂らしたままこっち来るのはやめて!!!」
悪いけど私は鼻水付けて欲しくないからマジ勘弁!!いくら善逸の鼻水だとしてもちょっとやだ!!炭治郎の鼻水なら大歓迎なんだけどッ
涙と鼻水でグジョグジョになった善逸の顔をみて苦笑いを零す。
どうやら炭治郎は私が寝ていた4日間の間、起きるまでずっと傍に居てくれたらしい。その疲れか、今はベットに伏せて眠っている。
いや嬉し過ぎて死ぬ。だってそれだけ私の事考えて心配してくれていたという事で……
やだ私メンヘラみたいやだぁ。
ズルズルと鼻をすすりながら善逸は私が倒れた後の経緯を説明してくれる。
「そう…倒したんだ」
「俺も気絶してたから良く覚えてないんだけどさ、炭治郎が倒してくれたみたい」
「へ〜」
たぶん本人が霹靂一閃ぶちかましてるんだろうなぁ。
と思っていれば開けたままの扉から笑顔を浮かべて
「体の調子はどうですか?Aさん」
「しのぶさん!特に問題ありません」
「それは良かったです。では、目が覚めて早々で申し訳ないのですが、お館様がお呼びですよ」
…………え、私やらかした???
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メア(プロフ) - やあさん» アニメ以降の無限列車編のみネタバレとなります! (2019年12月16日 8時) (レス) id: 80100b30c6 (このIDを非表示/違反報告)
メア(プロフ) - 紅葉さん» お返事遅くなりすみません!うおお好きが沢山…めっちゃありがとうございます!!続編から先もよろしくお願いします!! (2019年12月16日 8時) (レス) id: 80100b30c6 (このIDを非表示/違反報告)
やあ(プロフ) - この作品、ネタバレありますか…?? (2019年12月16日 2時) (レス) id: 3fd8182389 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - むっちゃ好きです大好きですこんな素晴らしい作品をありがとうございますそれでは続編行ってきます!(ノンブレス) (2019年11月24日 9時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
メア(プロフ) - カオリさん» そうなんですか…!すみません、ご指摘ありがとうございます!頸動脈切ったら即死に変えさせていただきます! (2019年11月11日 20時) (レス) id: 80100b30c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:メア | 作成日時:2019年10月5日 22時