転生したら鬼になったからとりあえず推しに斬られに行こうと思う。(１)【鬼滅の刃】

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『彼女に、心から愛して欲しかった。でもアイツは私を見る事は無かったさ。だから一度でも良かった。それだけでも私を見て欲しかったのに……』

「…………貴方は、選択を間違えただけだよ。諦めるのが少し早かっただけ」

『私が間違えた…と？』

「そうだよ。だって、こんなにも誰かを愛せる人が、報われない訳ない。だって貴方は誰かの幸せを願える、そんな」


優しい人だから




「だから、ナイフの刺さる位置を私の心臓から少しズラしたんでしょ？」


分かっていたはず。炭治郎が来る事も、私が助ける事も。

鬼の私だから、身体こそ再生はするけれど、心臓に毒塗りのナイフが刺されば血の巡りが荒れて再生速度が遅れる。倒れる所じゃ済まなかったはず。


おかしいと思ったよ。綺麗に心臓だけ避けられてるんだから。痛かったけどね!!毒とか普通に前世じゃ程遠い存在だったから初めましての感覚だったし！



『…気づいておったか。……叶わんな、お前には』

「まぁ、これでも伊達に推しを守るなんて言ってないからね！」

『そうか…』



「……………もし、貴方が生まれ変わった時は、心から愛せる人と幸せになれますように」

『同情のつもりか？』

「違うよ……。鬼だからって不幸せにならなきゃいけない事なんてない。ましてや、鬼になって何人もの人を殺めてきた貴方は、殺した人の分まで幸せになって、ちゃんと償って」

『…………おかしな奴だ』

「よく言われる！」


この償い方を馬鹿だと言う人も居るかもしれない。義勇さんやしのぶさんには｢は？｣と圧のかかった顔で言われそう…。想像するだけで鳥肌たってきた。


でも、鬼だって。辛い思いをしてない訳じゃないんだ。それは累くんとか、響凱の話を聞いて強く思った。


この鬼だって。



本当なら、皆今頃愛する者や家族と幸せに暮らせていたのかもしれない。笑顔の耐えない人生を歩めていたのかもしれない。


だからせめて、生まれ変わった時は報われて欲しいんだ。




ゆっくりと真っ暗だった空間が解けていく。段々と白い光に包まれて


『直にお前の意識も覚醒するだろう。お前の、そのおし？とやらが傍でずっとお前を呼んでいる。早く安心させてやれ』

「…………なんか、めっちゃ良い奴じゃん貴方。…うん、そっか。ありがとう！じゃあ、さよなら」




気のせいかな。

｢こちらこそありがとう｣って言われた気がしたんだ。



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明日夕方頃に続編までいけそうです!!!

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