転生したら鬼になったからとりあえず推しに斬られに行こうと思う。(１)【鬼滅の刃】

3--よし、斬られるか ページ3

「あれ、なんか八重歯長い…」


鏡に向かって口を横に開く。

ふぁっ、歯が白くて……え歯並び綺麗好きでしょ。何このトリップ特典怖いよ。見返り求められそう…。


そんな事を思いながら先程の事を振り返る。

そういえば私。

………鬼舞辻さんに人いっぱい食べなさいみたいなこと言われた気がする。すっかり忘れてたけど言われてたよね。


「………鬼…っていうよりなんか吸血鬼みたい」


でも鬼にしても吸血鬼にしても不思議と渇きとか潤い欲しいー!!とかならないなぁ。トリップした事で自我取り戻したとかそういう??

………とりあえず、鬼になってしまった以上。自分の行動範囲はごく狭いものとなってしまった。今は夜だからいいものの、昼間だったら転生した瞬間灰と化していた。

転生トリップして秒で散るのって悲しすぎる。


まぁ、鬼舞辻に関して昼間になんてことは絶対にないと思うけれど。


普通の鬼と違って私には自我があるし、人も食べたいなんて全く思わない。むしろ、自分が人間だとさえ思っている。まぁ実際ほんの数分前まで人間だった訳だし。


「………よし！とりあえず、推しに斬られるか!!」

鬼になってしまった以上。きっと鬼の私にとって、ドMの私にとっての幸福はこれだ。そう思った。自分から斬られに行く鬼というのもなかなかシュールなものだが。

安心して欲しい。大歓迎だ!!

私の心のおじさんが両手を広げて推しを待ち構えている。やっぱり私は転生してこんな美少女でもドMなんだなと何故か悲しくなった。

4--推し→←2--は？美少女

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す