紫体調不良小説 (ページ9)

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やばい、本能的にそう思った。

頭痛とともに目覚めた朝、真っ先に感じたのは圧倒的な身体の怠さ。

それも昨日までとは比にならないくらいの。

頭がガンガン痛んで、眩暈がしてベットから起き上がれない。

どうにかして立ち上がってもフラフラしていて真っ直ぐ歩けない。

何もかも二重に見える気がする。

熱測ろう。

高いんだろうなというのはもうわかっているし、見たらテンション下がりそうだから本当は見たくないのだけれど、流石に把握しておかないとやばいから。

なんかすごくなるまで時間がかかっている気がする。

ようやくピピピとなった体温計を見てみると39.5と無機質に並んでいた。

やっちゃったな。騙し騙しやってきた分が全部返ってきたみたい。

今まで、体調の変化に気づいていながら、見て見ぬ振りをしてきた。

気のせいだって。

薬も飲んでるし、大丈夫だって言い聞かせて、結局あんまり身体は休めていなかった。

身体の中は熱いのに、体感は寒い。

頭がガンガンする。

クラクラする。

だるい。

辛い。

休みたい。

ぽつりと頭に浮かんだ本音。このままベットで寝ていたい。

今日は振り入れと確認の日。ガシガシに運動する。普通に打ち合わせもあるし。

できるのか俺この身体で。

一気に不安になる。なるんだけど、でも休めない。休めはしない。

仕事に穴は開けたくない。打ち合わせが進まないのが怖い。

それに、今までだってあんだけ心配されて、気使わせてたのに、

忠告守らず、家帰ってきてからも仕事して、その結果39.5の熱が出ましたとは言えない。絶対に。

隠さなきゃ。余計な心配はかけれないし、かけたくない。

ライブまで乗り切ったらオフがあるからそこでゆっくり寝て治せばいいんだ。

今は6時。迎えまで後1時間。

回らない頭でとりあえず食欲なんてないに等しいけど、買いだめしてあったパンを食べて

解熱剤を飲んでもう一度布団に入った。