紫体調不良小説 (ページ7)

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「よし、始めようか」

俺の一言で、今日も始まったコンサートの打ち合わせ。

とにかく時間がない。それが全体の共通認識で。

俺だけじゃない。みんな焦っているというのはヒシヒシと伝わってくる。

こんなこと今までになかったから、ゴールが見えないっていうのが今の現状。

でも、間に合わなかったですなんてあり得ないから、

これは寝れない日々が続きそうだなんて他人事の様に考える。

ーーーー気づいてはいる。

初日まで後ちょうど1ヶ月。体調管理が一番大切な時期だってことくらい。

昨日あたりから、体が重いってことだって、

調子がいいとは決して言えないこの体調にだって気づいてる。

今だって、ドクッドクと心臓の鼓動に合わせて頭に走る痛みは、開始時よりも明らかに酷くなっているし。

いつも、大事なところはホワイトボードの側に立って説明するのに、今日はずっと椅子に座ったままなのは、立とうとしてもきっと目眩が起こって上手く立てないんだろうなってことがわかっているから。

さっきトイレに行った際に見た鏡に映った自分の顔。

血の気はなくて真っ白で、まる三日間ぐらい食べてなかったせいか、頬も少し痩せこけた気がする。

そりゃ、色んな人に心配もされるよな。

メンバーだって直接言ってはこなかったけど、明らかに気づいてたし、収録中はさりげなく支えてくれていた。

次会うのは、三日後。その時には少しマシな状態にしておかないと。

心配だけはかけたくないからね。