紫体調不良小説 (ページ3)

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ーーーープルルルルルルルル

携帯が鳴る。マネージャーからだ。

「松本さん、後30分で下に到着します。準備しておいてください。」

あっもうそんな時間か、と時計を見ると短針は7を指していた。

結局、一睡もしなかったな。

永遠に資料とパソコンに向き合って、

結局二日間まるまる寝なかったことになる。

昨日はオフだったからいいけど、今日は普通に仕事があるから、

いつもはテキパキできる朝の準備も今日はなんか体が怠くて、

ノロノロやっていたらあっという間に30分経っていた。

移動車の中でも、コンサートのことをやっている。

クーラーが苦手な俺のために少し高めに設定されたエアコンと

絶妙な車の揺れが気持ちよくて、思わず目を閉じそうになるけど

その度にハッとして無理やり意識を覚醒させて

「うつらうつらしてるんだったら、いっその事移動中くらいちょっと寝て

あとで集中してやったほうがいいかんじゃないですか？」

って遂にはマネージャーにまで言われる始末。

そりゃ二日徹夜だもん。眠くはなるのは仕方ないでしょ。

でも、今の俺にはどうしても寝るなんて選択肢考えられなくて、

寝ようとしても、間に合わなかったらどうしようとか終わらなかったらどうしよう

っていう気持ちばかり渦巻いて結局寝れず、諦めてやっぱりまたパソコンを開いた。

ものの、パソコンのブルーカットは寝不足の体にはちょっとキツかったみたいで

さっきまで気持ちいいと思っていた車の揺れも、一点に集中していたせいなのか

次第に苦痛に変わってきた。

なんか、気持ち悪い・・・

あぁ、酔ったかもと自覚するのに時間はそうかからなかった。

「ねぇマネジャー、あと何分で着く？」

「あーー、あと15分くらいですかね」

15分か、いつもだったら一瞬だけど、この体じゃちときちぃな。

こうなったらもうあとは耐久戦だな。

「おけ、ありがと」

さっきあれだけ誘ってきた眠気も、こんな時に限って全くおきず。

そっからはどうにか、目をつぶって窓に寄りかかりながら耐えた。