【ツイステ】監督生の体液は、魔力を増強させる性質があるらしい。【短編集】 (ページ10)

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___カフェ。

何の気なく放たれたエースの言葉に、先日の勉強会のことを思い出す。

すると、向こう側に座っていたデュースがガタンと音を立てて、勢いよく立ち上がった。

「………っ、すまない!!」

「びっ……くりした…急に大きな声出して何？」

「……いや…
き、急用を思い出したんだ。
だから …僕は無理だ。今日は、3人で行ってくれ。

…じゃあ…また明日。」

「え？おいデュース？」

早口でそう言い残したデュースは荷物を纏めてそそくさと教室を出ていった。彼が席を立ったあと、一瞬だけデュースと目が合った。…酷く思い詰めたような顔をしていた気がする。

「………何アイツ、急に感じ悪いじゃん。」

「急用って言ってたし、本当に急いでたのかも。
…仕方、ないよ。」

咄嗟にフォローを入れたものの、それが嘘なことくらい、薄々分かっていた。間違いない、あの日あった出来事が関係している。

「………………ふーん…」

机の上に頬杖をついて、こちらを見つめるエースの視線に気付き、教室の出入口から視線を戻す。
じっと見つめてくるエースは何か思案するような表情を見せる。そんな彼に首を傾げると、エースはまた何事も無かったかのようにニッと笑った。

「…じゃ、ノリの悪い優等生くんは置いて、3人で行こーぜ。」

荷物を寮に置いた私達は、早速例のカフェに向かった。あの日と同じように窓際のカウンター席が空いていたので、私達はそこに並んで座った。

初めは勉強会のつもりで来たのだが、グリムが被ったクルーウェル先生の躾の話になると、私達は大いに盛り上がった。

聞けば聞くほど、可哀想すぎる惨状にクスクス笑う私とエース。終始真剣なグリムは、「オマエら、笑うんじゃねーんだゾ！」と怒り心頭だったが、そもそも全ては彼の自業自得なので、笑われても仕方の無いことだ。
それを分かっているグリムも、次第に拗ね始め、遂には不貞寝してしまった。

「…あーあ、まーた寝ちゃったよ。」

「全く、エースったら笑いすぎなんだよ。
帰ったらツナ缶でもあげよう…」

「そう言うAだって、雑巾がけの話の時はずっと笑ってただろ。」

「ち、違うよ…あれは…ふふ、」

「…ほら笑った。」

2人で肩を震わせてまたひとしきり笑った。