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「…そしたらグリムのやつ、作った魔法薬を誤って飲み込んでさ〜」

「えぇ…私のいない間にそんな事が?」

「あぁ、それで教室中がパニックになったんだ。
器具を壊されるわ、プリントを燃やされるわで…
クルーウェル先生、すごく怒ってたぞ。」

「はぁ……」


バルガス先生の授業を終え…
2人と一緒に廊下を歩いていた私達は、今は居ないもう1人の友人の話に花を咲かせていた。

飛行術の授業は、基本的に座学ではなく、実践の授業が多い。そのため、魔力の無い私は毎度の如く見学であった。幸いなことに、授業中はいつもエースか、デュースか、グリムの3人が私を乗せて空を飛んでくれるので、見学ばかりのこの授業を退屈に思ったことは無かった。

…その日は、3人とは魔法薬学の授業で別れ、飛行術の授業でまた落ち合うはずだった。
しかし、なぜかグリムの姿だけが見当たらず。
嫌な予感がして、授業が終わった後に2人に尋ねたところ、冒頭に至る。

「…じゃあ今、グリムは…?」

「"bad boy…躾がなってないな?"…ってお説教中。
反省文とか書かされてんじゃね?」

「反省文…」

「それはもう、カンカンだったからな…あんなに怒ってるクルーウェル先生は僕も初めて見た。
…ところでエース、今のはクルーウェル先生の真似か?全っ然似てなかったぞ。」

「………あ〜、うっさいな〜!別に似せてねーよ!」

絶妙に似ていないエースの物真似で、懇々とクルーウェル先生に叱られてるグリムの姿が想像できた。
後で私も先生に謝りに行った方がいいかもしれない。
グリムには……ツナ缶でも用意しておいてあげよう…と密かに考えた。

魔法史の授業に備えて教室に入ると、運のいい事に最上階の1番後ろの席が空いていた。いつもなら、フロイド先輩やレオナ先輩といった錚々たるメンバーが陣取っているのだが、今日は珍しくその姿がない。

ラッキー!と指を鳴らしたエースがそそくさと階段を上っていった。


「……珍しいな、後ろの席が空いてるなんて。」

「そうだね。デュースは…また1番前に座る?」

「あぁ…
いや…折角だから、今日は後ろにする。」

"優等生"をなぞった学校生活を送るデュース。
いつもなら私達とは離れて、1番前の席を進んで座るところだが…今日は珍しく素直だった。
なんだかそれが嬉しくて、思わず笑みがこぼれた。

「ふふ…じゃあ、私たちも早く行こう。」

「………あ、あぁ…」

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  • 恋愛運: ★★★☆☆
  • 健康運: ★★★★★
  • 全体運: ★★★☆☆

ラッキーカラー

あずきいろ


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設定タグ:ツイステ , 短編集 , twst夢   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:わん | 作成日時:2023年12月12日 18時

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