【ツイステ】監督生の体液は、魔力を増強させる性質があるらしい。【短編集】 (ページ20)

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整った顔がすぐ側まで近付いてきて、私はキュッと目を瞑る。
すぐ側で…ふふっ、と小さく笑われた後、人より少し体温の低い掌がふわりと頬に添えられた。
そして、ジェイド先輩の細くて長い指が肌の上を滑り、拇(おやゆび)の腹で優しく目尻を撫でられて。
そっと目を開けば、至近距離で私を見つめるジェイド先輩がいた。私と目が会った瞬間、彼は薄く形の良い唇の両端を僅かに持ち上げた。

｢睫毛がついていたので取っただけなのですが…

…お顔が赤いですね。どうされました？｣

こちらを見つめる、トパーズ色の瞳に。
私の心の全てを覗かれているような気がして。

｢……っ！
あ、ありがとうございます！
その…っ…もしかしたら、ね、熱があるのかもしれません！
私はこれで失礼しますねっ！！｣

ドクドクと騒ぎ出した胸をぎゅうっと握りしめ、私は逃げるようにその場を後にした。

一度芽生えた恋心は、確実に根を張ってどんどん成長していって。
気付けば、私は彼の一挙手一投足に胸を高鳴らせるようになってしまった。

……ジェイド先輩が好きだ。

彼のことを考えると胸が満たされる感じがして、不思議と笑みがこぼれた。

彼に見つめられたり、話しかけられたりすると、舞い上がってしまいそうなくらい嬉しかった。

いつか、この想いを伝えられたら、なんて思っていた。