【ツイステ】監督生の体液は、魔力を増強させる性質があるらしい。【短編集】 (ページ14)

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「…ゴースト達も料理ができるのか…すごいな…

そうだ、このピザすごく美味くて、僕のお気に入りなんだが…お持ち帰りはできるだろうか？」

「お、お持ち帰り？…ははっ、うちはお店じゃないけどね…あ、でも、余った具材があるから…それ使って小さなピザなら後で作れそうだよ。それで良ければ、ぜひ持って帰ってよ。」

「…本当か…！ありがとうA…！」

「…あ、うん…」

パシッと両手を握られ、ふと我に返る。

デュースが、私の手に触れている。
あれから1度も触れてこようとしなかったデュースが。

その瞬間、トクトクと心臓が早鐘を打った。

あれ…なんで、私、今…
頬に熱が集まる感じがして、咄嗟に別のことを考える。

「…あ…」

自分の行動に気付いたデュースも、すとんと視線を落とした。握っている私の手を見つめている。

…様子がおかしいと思った。

目を合わすことすら拒んでいたデュースが。
今はしっかりと、私の手を握り込んで離さなかった。

「…A。」

はっきりと名前を呼ばれ、思わずビクッと身体が跳ねる。

テーブルの向こう側では、未だワイワイと賑やかな雰囲気に包まれていた。
口調の崩れたエペルが愚痴を零したり、セベクとグリムが言い争っていたり、ジャックはそれを宥めつつ、皆にピザを切り分けてたり…
そんな騒がしい周りの様子を他所に、デュースは真剣な表情で私を見つめていた。

「…この前はすまなかった。あれから、何度もAを避けるような真似をして、傷つけてしまった。」

「…だ、大丈夫。私は全然気にしてなんて…」

「…そう言ってくれると思っていた。
けどどうしても、これだけは分かって欲しいんだ。僕は決して、Aに触れたのが嫌だったから、ああいう態度をとったんじゃない。」

…まずい。

咄嗟にそう思ったが、私にはどうすることもできなかった。握り締められた両手が逃がすまいと私をこの場に縛り付ける。

「……っ、本当にすまない。こんな事を言ったら、余計にAを困らせることになるのかもしれない……けど、もうこの気持ちを抑えておくことはできないんだ。

…A。

僕にとって君は気の置けない大切な友人だと、ずっと思っていた。

でもあの時、僕ははっきりと気付いたんだ。

……僕は、

僕は、君のことが_______」

「A。」

突如、デュースの言葉を遮るように降ってきた声。
見上げれば、エースがすぐ近くで腕を組み、表情の抜け落ちた顔でこちらを見下ろしていた。