【ツイステ】監督生の体液は、魔力を増強させる性質があるらしい。【短編集】 (ページ1)

今日:5 hit、昨日:35 hit、合計:18,049 hit

監督生の体液は、魔力を増強させる性質があるらしい。ページ1

【監督生総受け、フロ監】

青天の霹靂、とはまさにこの事を言うのだろう。

その日も、謎多き猫グリムの監督生として、異世界での一日を平穏に過ごしていたはずだった。
突如、マジカメのストーリーにて、とある噂が投稿され、拡散されるまでは。

添付された画像を読み込むと、長ったらしい論文がそこに映し出された。
そして、その論文を読んで、私は何度自分の目を疑ったことだろう。

論文の要点を掻い摘んで言えば、"監督生(わたし)の体液には、魔力を増強させる性質がある"という旨のものだった。

後頭部を鈍器を使ってフルスイングで殴られたかのような衝撃だった。加えて、こんな際どい噂が多くの生徒達の目に触れられていると思うと、軽く死にたくなった。

もちろん、初めの頃はまだその噂を信じていなかった。
私を良く思わない連中が、私を陥れるためにでっち上げた嘘なんだろう…と、半ば現実逃避をするように決めつけていた。
しかし、そんな私の頭上に、2度目の落雷が落ちる。

このふざけた論文の著書を調べてみると、"ディア・クロウリー"の名が連ねられていたのだ。

…そう。何を隠そうこの論文は、うちの学園長の著作物だったのだ。

この事実は超名門校NRC(ナイトレイブンカレッジ)全体を震撼させた。
そして事態は、私が最も恐れていた方向へ向かっていくのだった…

「監督生!!この魔法薬を飲んでほしい！
安心してくれ、ただの発汗剤だ！
単刀直入に言うが、君の汗を採取したい！」

「監督生〜！僕の魔法薬も頼むよー！
君の涙を何滴か貰ったらすぐ帰るからさ〜！」

「監督生さんの採血をさせてくれないかな？
大丈夫、きちんとした医者が担当してくれるから、痛くないと思うよ。もし受けてくれるならお礼は弾むよ。
……どう？」

「……ごめんなさい、結構です。」

…これが、私の恐れていた事態である。
校舎内を歩く度に、あの手この手で私の体液を狙って話しかけて来る生徒が増えるようになったのだ。
時には、私を巡り、校内で禁止されているはずの私闘が勃発することもあった……

そんな、もはやカオスとも呼べる日々が続いたある日のこと……事態を見兼ねた寮長達が、揃って私の元へやってきて、こう告げてきた。

「オンボロ寮から移籍してほしい」…と。

…もちろん、私は断った。
オンボロ寮には少なからず思い入れがあったし…何より、今この状況で自分の所属を移すことは悪手だと、何となく分かっていたからだ。