検索窓
今日:4 hit、昨日:2 hit、合計:10,523 hit

1 ページ1

「…ぅう、さっむい」


引っかくような痛さを伴った寒風が私を襲う。

かじかんで自由にならない手のひら同士をこすり熱を呼び起こしながら、少しでもマシになるように、と息を吹きかけた。


「今年の冬はさむいね、うらたくん」

「ん、ああ、そうだな…去年の今頃は俺たち受験期だっけか。こんな寒い年じゃなくてよかったよな、塾に行く気失せる。今年の子たちカワイソ」

「ふふ、微塵もそう思ってない癖によく言うね。大体うらたくん指定校推薦でしょう。受験なんてしなかったも同然でしょ」


するとうらたくんはきょとんとして、少し間を置いて思い出したように笑った。

何をしていてもサマになる、恐ろしい男である。だからモテモテなんだろう。


「ははっご名答。特に苦労なんてしなかったなぁ。でもその分、今部活では誰より苦労してる気がする」

「…まあね、私とうらたくんのふたりだけで、しかも選手はうらたくんだけだし。はぁ、思い出してみれば、私たちこの一年だいぶ頑張ったね。毎日の部活動場所確保から部の設立まで」

「仕方ねえよな、もともと水泳の授業すらない学校だから、プールなんてなかったし、勿論水泳部なんて存在してなかったし」


そう、私たちは水泳部の部員とマネージャーである。

なぜ私がマネージャーをやっているのか、部員が私を含め二人なのか。

それは約半年強前の話である。

2→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (41 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
127人がお気に入り
設定タグ:あほの坂田 , うらたぬき , 歌い手   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

こむぎぺんぎんサブ(プロフ) - ゆめさん» ゆめさんこんばんは。お読みいただいていること、心から嬉しく思います。応援もありがとうございます。励みになります。スローペースではありますが、これからもよろしくお願いいたします。 (2020年4月4日 22時) (レス) id: e093b22b0d (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ(プロフ) - こむぎぺんぎんさん、こんばんは。うらさか作品の虜になってからというもの、大好きで何度も読み返していたので不謹慎かもしれませんが更新がとても嬉しいです。新作も全部楽しみにしてます!頑張ってください! (2020年4月4日 22時) (レス) id: 8d18ba62e8 (このIDを非表示/違反報告)
さく - 更新止まってます…!更新楽しみに待ってますので戻ってきてください!私的には…浦田君と結ばれてほしい…! (2019年5月19日 23時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:こむぎぺんぎん x他1人 | 作成日時:2019年1月1日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。