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(槇寿郎視点)


『槇寿郎さん、お久しぶりです。』


今日もまた、Aが来た。


嬉しいとは思わない。


ああ、まだ生きているんだな。


としか思わない。


まただ。


ここまで尽くしてくれている奴に何故俺はこんな態度なのだろう。


いつも俺が何も言わないでいてもAはずっと部屋の前にいてくれる。


暇ではないのだろうか。


思い返すと、俺は瑠火が死んでからこうなったんだ。


Aの母親が病にかかり、稽古をつけられなくなった時、俺はAを立派な剣士にすると心に決めていた。


結局、稽古を最後までつけてやれなかった。


だが杏寿郎とAは家にあった炎の呼吸の指南書を読み込み、ちゃんと剣士になった。


その後、杏寿郎は腕を上げ続けAは千寿郎に稽古をつけていた。


俺とは全く違うな。


そして俺はまた布団に入った。

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作者名:草生える x他2人 | 作成日時:2020年3月9日 1時

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