MIND RENDELL (ページ7)

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VI ページ7

アキを見つけるのは思ったより簡単だった。
まあ、冷静に考えてみればそうだろう。
自分の部署が悪魔に襲撃されて炎をあげているというのに、車にのうのうと乗っている人間なんて普通いない。

ひとまず駐車場に出ると最大限に聴覚を利用した。
車に乗っているというのならば、エンジンの音ぐらい聞こえてもおかしくない。

手のひらを耳の後ろにかざし、耳を澄ましながらどんどん奥へと進んでゆく。

そして安の定、駐車場から出発しようと
している車を見つけたというワケだ。

ガラス越しに覗き込むと、何処かで見たことがある人物が映る。
この前のちょんまげ男である。

急いで中に入れてもらって直接アキだということを確認すると、ホッと一息。

そうとなれば出発だ。
思い切り踏まれたアクセルと比例して、車が勢いよく走り出す。

と、思いきや急ブレーキがかかった。
シートベルトをつけていなかった自分は思いっきり運転席の椅子に頭をぶつける。

痛い。かなり強打した。
目眩の時のように視界が揺れる。

背もたれに片手をつき、体勢を立て直すと、
鮫を挟んで隣の天使が口をそれこそ呑気に開いた。
「車走らせないの？」
数秒遅れてアキがボソッと答える。
「畜生…」

え、なにそのやばそうなフラグ発言。それ以上言うな、自分の命がやばい。
そんな想いも見ず知らずでアキは続ける。

「勝手にヤな未来見せやがったな…」

と、同時に車のライトが一つの人影を映し出した。
ヤな未来…とはこれのことだろうか…。未来の悪魔クンとでも契約してるのかな？

目を凝らすと、さっき部署で暴れていたやたら露出の多い異形頭だった。
オマケに両手に一つずつ生首を抱えている。

ら…ラッキーでしたね…首を一息に両断されて…。
運が悪ければ爆発で起こった炎で焼死なのに。

そんな死に方なんて地獄より酷いものだろう。
なんせ身体中の骨がバッキバキに折れるのだから。

自分はこの後予想されるサイアクの事態を想像して冷や汗が止まらなかった。