MIND RENDELL (ページ3)

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II ページ3

何体か戦闘不能になるまでボコボコにしたところで、
ひとまず現状を把握する。

さっきまで統一性を保ち、整列していた自分たち悪魔はすでに点々と孤立して戦っていた。
固まって戦うのもアリだがこの暗闇では難しい。
それに悪魔勢力の後すぐに四課のベテラン達も援軍に来たようで…。

とりあえず、『一人VS多数ゾンビ』戦法、
つまりこのままでいいかなあ、という結論に至った。

戦闘開始から数分。

後ろから飛びかかってきたゾンビの首を掴むと、突然頬にピッと切り傷が入る。

何事と思い固まっていると、刹那。
鷲掴みにしていた敵はバラバラの肉片に変わってしまった。

ドシャッと重い音を響かせてそれが落ちる。

開けた空間のその向こう側に佇んでいたのは、黒髪のちょんまげをしている高身長の男。
おそらく彼の持っている刀が少し掠ったのだろう。

もし少しでも立ち位置がズレていたら…、ひと想いに両断されるならまだしも、中途半端に怪我して苦しむ…なんてごめんだ。

「いま、巻き添いくらいかけたんだけど」

思い切って口に出してみるが、その男は目線だけ一瞬こちらを向けた後、すまないと一言、
そしてすぐに暗闇に消えてしまった。

ちょっと！と伸ばした腕は行き場を無くし、しばらく宙を迷うままだった。