MIND RENDELL (ページ2)

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早々駆り出されたと思えば、相手は人ではなくゾンビらしい。

どうやら自分がスヤスヤと幸せに眠っている中、四課の何人かが殺られたようで大騒ぎだった。

うるさいなと文句をつけたいところだが、四課が潰れると自分も物理的に潰れるので、黙って仕方なく仕事をこなす事にする。

やけにピシッとした制服を羽織ると、他の悪魔や上司達と現場へ向かった。

ビル内部に入り込むと、独特の悪臭と薄気味悪い空気に包み込まれる。パイプが丸出しになった天井やコンクリートでできた壁は、特有の冷たさを保っていた。

しかし、このように余裕を持って風景鑑賞をできるほど何事もなく着々と物事が進んだのは、数十秒のわずかな間だけだった。

天井を見上げていると何かに足を掴まれる。慌てて振り解き蹴り上げると黒い物体が宙に浮いた。

つられて辺りにいた悪魔や魔人達が戦闘体制に入る。今回の標的、ゾンビが現れたようだ。

形はそれぞれでボコボコに顔が腫れているものもいれば、ツルツルとした質感のものもいた。個人的に、映画で見たゾンビより多種多様で、意外に感じた。

大切なものをなくしたり、大事な用事に遅れてしまったりした時ほど、冷静に物事を考えれるのは何故だろう。

今も同様、死と隣り合わせで戦っているというのに有名な某ホラー映画を呑気に思い浮かべている。