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「うわぁ〜緊張〜…」
「命がけなんて言われちゃうとね…」
控室にて、ダンスと歌の審査を受ける為に少女達は動きやすい服装に着替えていた。Aとフレイアも着替え、先程スタッフに渡された腕時計のような機械を手首につける。
A達から離れた所で着替えを終えた少女達のうちの1人が手首につけた腕時計型機械を不思議そうに見つめた。
「これ何だろう?」
「歌を正確に記録するんだって」
「へぇ…」
「頑張ろ!」
少女達は友人関係らしく、お互い頑張ろうと励まし合う。この控室の様子はカメラに映されており、薄暗い別室にてホログラム映像でレイナ、マキナ、美雲の三人が見ていた。いくつものウィンドウに少女達の様子が映り、応募者全員の顔写真が映るウィンドウも小さく表示されている。
「あ、この子達…」
マキナがAとフレイアの映像が映るウィンドウをクリックしてアップさせると、フレイアが頭にピンクのハチマキを巻いて気合いのこもった声を上げていた。
「うしっ。ウィンダミア魂を見せちゃるかんねー!」
「フレイア、そのハチマキはとった方がいいんじゃないかな…?ダンスする時邪魔になるかも…」
「そかな?確かにひらひらして邪魔になるかね」
Aに言われたフレイアはハチマキを取って軽く畳みポケットにしまうと、やる気満々と言った様子で拳を握りAに言う。
「頑張ろ!A!絶対一緒にワルキューレになるんよ!」
その言葉にAは返事をせずあいまいに笑うだけだった。
「アラド隊長ー」
通路を歩いていたスオウはメッサーと共にいるアラドを見つけ、声をかけながら歩み寄った。
「ハヤテ・インメルマンに会いに行くんですよね?俺も一緒に行かせて下さい」
「別に構わないが…」
アラドは困ったような顔をして頭をかくので、スオウはどうしたのかと不思議そうに聞く。
「どうかしました?」
「それが、やっこさんいなくなっちまったんだってよ」
緑髪のサイドテールの受付嬢がハヤテをアラドの元まで案内していたのだが、途中で姿を消してしまったと連絡が入ったのだ。現在監視カメラの映像を調べ居場所を探ってもらっており、連絡を待っている所なのである。まったく…とメッサーは不機嫌そうに小さくため息をつく。
するとアラドの携帯電話から電子音が鳴り、アラドは通信相手と少し会話を交わすと携帯電話をポケットにしまった。
「甲板の方に行ったようだ。それじゃ、会いに行くとするか」
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バレッタクラゲのスルメ
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作者名:空 | 作者ホームページ:http://id38.fm-p.jp/213/7772010/
作成日時:2016年9月13日 7時