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「えー。俺、愛猫可愛がるのに忙しいから無理」
「私だってあんな奴を指導する時間があるならキュルルを可愛がるのに使いたいですよ!」
スオウとミラージュが言いあっていると、気分が悪くて動かないでいたハヤテが歩き出す。
「お…俺は……っ」
ハヤテは真っ青な顔でふらつきながらミラージュに近づいてゆく。
「無理すんな。座って休んどけ」
「絶対に…空を……」
スオウが声をかけるが、ハヤテはそうせず呻くように「空を飛ぶんだ」という決意を言おうとするが言葉が止まり、両手で口元を抑えた。
「!お前…待てっ―――」
ミラージュは嫌な予感を感じた瞬間、ハヤテはあまりの気持ち悪さに嘔吐としてしまう。
ミラージュに向かって。
「うわあぁぁぁぁ〜〜〜っ!!!」
あちゃあ、と目を手で覆うスオウの耳に響き渡るミラージュの悲鳴が聞こえたのだった。
―――
本当のワルキューレオーディション終了後、Aとフレイアは二人一緒にマクロス・エリシオンの麓にあるオープンカフェにいた。
カナメにこれからの住まいになる女子寮に案内するのでここで待ってて、と指示され席について待っている。
「いひっ…いひひひひひ……。落ちる落ちるバカにして。ハヤテに見せつけてやるんに…
A、ハヤテに連絡したんよね?」
「…え、あ、うん。電話に出なかったからここのカフェにいるってメール出しておいた。オーディションに合格したことは言わないでおいたよ」
「いひひっあんがと。これでハヤテをぎゃふんとする所が見られるんよ」
フレイアはワルキューレに無事なれた喜びと、ハヤテをぎゃふんと言わせてやれるという楽しみでニヤついていた。
一方、Aはぼうっとした、寝ぼけているような表情で黙り込んでいる。
(まさか合格するなんて……夢でも見てるんじゃないかな。オーディションに落ちて諦める為に来たのにこんな事になるなんて思わなかった。
……あっ、お店どうしよう!女将さんに連絡しなきゃ。どうしよう、急に辞めるなんていったら迷惑だよね。
…でも、私なんてうまくやれなくてクビになるかもしれないから長期休暇ってことで休めないかな……
「なら辞めて」とか言われたら…いや女将さんなら言わないでくれるかもしれないけど、女将さんの優しさに甘えるわけにいかないよね……)
オーディションに合格するなどまったく思っていなかったAは「どうしよう」と考え込んでいると、突然フレイアの頭に布が被さった。
ラッキーアイテム
バレッタクラゲのスルメ
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作者名:空 | 作者ホームページ:http://id38.fm-p.jp/213/7772010/
作成日時:2016年9月13日 7時