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「…どうだった?」
面接の緊張から解き放たれ、ふらふらした状態で帰ってきたフレイアにAは声をかけた。フレイアは「ふぇ〜…なんかどっと疲れた…」と弱弱しく呟きながら椅子に座る。そして周りに座る少女達の邪魔にならぬよう小声で話し始めた。
「なんとか答えられたんやけど、あたしがウィンダミア人なこと気にされたんよ…」
面接の時、アーネストからウィンダミアは独立戦争以降人の出入りに厳しく、最近では地球の文化に対し取り締まりも厳しくなっていると言われたのだ。そしてカナメにワルキューレに入れば故郷に帰れなくなるかもしれないとも言われた。その問いにフレイアは…
「「それでもワルキューレになりたい」って答えたんよ。絶対受かりたいって気持ち込めていったから気持ち届いてるはず…!」
「そっか…」
フレイアならば受かるかもしれない。そして自分は落ちるだろうと思いながらAは相槌を打っているとドアが開き、カナメとアーネストが入室する。いよいよ合格者が発表される時がきた。A達の鼓動は高まり、全員緊張した面持ちで口を開くカナメを見つめる。
「第3回ワルキューレオーディション。合格者は………なしとします」
「この間は見事な操縦だったな。Δ小隊隊長、アラド・メルダースだ」
「すぐに撃ち落とされましたけど。飛行機飛ばすの初めてだったんで」
甲板にいたハヤテは自分を呼んだ人物、アラドに声をかけられ不愛想に答えた。アラドの後ろにスオウとメッサーがいるのだが、メッサーがハヤテのアラドへの態度にひそかに眉をしかめている。一応敬語は使っているものの、自分よりだいぶ年上の人間に対して態度が悪いとスオウは感じた。しかもメッサーにとってアラドは上司であり尊敬する人物なので増々苛立つのは無理もない。
「だがバトロイドの操縦は手慣れていた」
「ワークライドは仕事で使ってたから」
「なるほど」
スオウはメッサーが持つタブレットに表示されているハヤテの個人情報に目を通す。
「えーと…アル・シャハルでは輸送貨物の仕分け作業の仕事してたんだ?」
「随分点々としているようだな。惑星リスタニア、エーヴ、グレル。その都度仕事も変わっている」
「それが?」
メッサーの言葉にハヤテが先ほど以上に冷えた声で不愛想に応える。職を転々としてることを気にしているようだ。ハヤテが増々失礼な態度をするのを見たメッサーはアラドに言う。
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作者名:空 | 作者ホームページ:http://id38.fm-p.jp/213/7772010/
作成日時:2016年9月13日 7時