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スオウ機に当たりそうになったミサイルはすべて撃ち落とされ、Aはびくりと体を震わせ目を瞑る。
(予行練習なんて……そんなの無駄だ。私は落ちるに決まってるのに)
ワルキューレになりたいという夢を諦める為に行く自分が合格するわけがない。だがスオウの言う通りワルキューレと歌うなどこの機を逃したら二度とないだろう。ワルキューレの生声に合わせて歌う。それはAにとってとても魅力的なことであった。
(ワルキューレと…カナメさんと歌いたい…)
あの強く美しい歌声と一緒に歌えたらそれでいい。たとえ夢が叶わなくともその思い出だけで満足だ。



 その頃、バルキリーに乗って戦っているハヤテはミサイルが向かってくるのに気づき、ビル伝いに急上昇した。ミサイルはすべてビルに衝突し爆発する。バトロイドからガウォーク形態へと変形し空中を飛ぶ。フレイアは「飛んだ」と笑みを浮かべ、ワルキューレの歌声に合せてまた歌い出した。

フレイアと同時にAも目を瞑り、胸の前で手を握ってぼそぼそと小さな声で歌詞を紡ぎ出す。
(私の人生で一番最高のチャンスがきたんだ。歌おう、思い切り)
恥ずかしくて他人の前で歌うなどした事がないが、どうせスオウとはこの後会うことはないだろう。だから聞かれてもいいと思えた。

恥ずかしい気持ちを今は忘れ、ワルキューレの歌声に耳を澄ましながら歌う。スオウは段々大きくなってゆく歌声を聞きうっすら微笑みながら機体を飛ばしていると、突如電子音が鳴りモニターが表示された。

「!(アクティブ反応?)」

アクティブ反応を現すグラフが表示されており、その反応を示すポイントは自分のすぐ後ろである。驚きの表情で振り返り後部座席を見ると震える両手を祈るように胸の前で握りしめ、固く目を瞑り歌うAの姿。

「隊長!カナメさん!新たなアクティブ反応です!」

アラドとカナメの元にミラージュから通信が入り、アラドはコクピット内で、カナメは爪型デバイスで表示させたホログラム映像を見るとスオウのコクピット内が映っていた。後部座席に座る少女、Aに反応を示している。

「嘘!?アクティブ反応を示す子がもう一人!?」
「ちくちくする…。それにこの声、なんだか悲しい感じ」

カナメは二人目のアクティブ反応を示す人間の登場に驚き、レイナはAの歌声を聞き胸に手を当てた。

〃→←〃


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設定タグ:マクロスΔ , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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作者名: | 作者ホームページ:http://id38.fm-p.jp/213/7772010/  
作成日時:2016年5月1日 18時

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