【マクロスΔ】女神の歌 (ページ34)

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だが、先程のグラージやクァドラン・レアが攻撃を仕掛けてきたので慌てて操縦し攻撃を開始した。

「体は大丈夫か？G苦しくない？」
「は、はい…。私丈夫ですので…」

　飛行中のスオウはAに声をかけているとコクピット内に電子音の後にモニターが表示された。視線を向けるとアクティブ反応が示されており、反応を示す方向の映像をアップするとハヤテが操縦する機体が映しだされる。彼は片手を付いてバク転をしたりステップを踏んで攻撃を躱しており、まるで踊っているように見えた。
ミラージュから通信を受けたアラドもこの様子を映像で見ており「踊ってやがる」と驚きを露わにしている。

「すげーじゃん。…けどこいつ新統合軍のパイロットじゃないな」

ハヤテが新統合軍アル・シャハル部隊の兵士ではないと見破り、本当の機体のパイロットはどうしたのかと考える。
だがハヤテ以上に機体が握っている少女―――フレイアの事が気になった。Aのようにビルから落ちて助けられたりしたのだろうか。それに彼女からアクティブ反応が出ている。ということは彼女は―――

「ハヤテさん！？フレイア…！？」

驚きの声が後から上がる。スオウが振り向くとAが前のめりになってモニターの映像を見ていた。

「知り合い？」
「あ、はい…」

(何でハヤテさんがバルキリーで戦ってるの？何でフレイアがいるの！？)
てっきりシェルターに避難していると思っていたハヤテが戦っている事に驚きと、フレイアがハヤテと一緒にいる事に不安と少しの嫉妬を感じてしまう。Aがモニターを見つめていると、スオウが視線を前に向けビーム機銃を放ちこちらに向かってくるミサイルを撃ち落とした。Aは恐怖でぎゅっと目を瞑る。

「怖かったら歌ってな」
「え？」
「歌うのに夢中になってりゃ怖いのも忘れる。それにワルキューレのオーディション受けるんだろ？」

Aはどうしてという顔をする。自分が落としたワルキューレのオーディション募集のチラシを彼に拾われていることを知らず驚くAにスオウは笑う。

「俺は戦うのに集中してて聞こえないから気にしないでいーよ。ワルキューレと歌う予行練習になるだろ？メンバーになる前にワルキューレと歌うなんて機会そうないんだからさ」

怯えていたAは今気づいた。コクピット内にワルキューレが現在歌っているいけないボーダーラインが流れていることに。
スオウは少しスピードを上げて飛び、ビーム機銃を発射した。