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「ねぇAちゃん」
「はい」
「良かったら、連絡先教えてくれない？」
ダメ？と小首を傾げる海人くん。
その瞳は夜なのにキラキラと瞬いて、見つめられれば嬉しいけれど背筋のあたりをくすぐられるようなもどかしさを覚える。
「ダメじゃ、ない、です」
「あー、また敬語に戻った！」
「だって、なんか恥ずかしい」
「え、可愛いかよ」
「そういうの、誰にでも言うの？」
「言わないよ。もう、Aちゃん、俺が言ってる意味分かってる？ピュアすぎて伝わってるか心配なんだけど」
「な、何？」
「Aちゃんのこともっと知りたいし、俺のことも知ってもらいたい」
嬉しかった。
海人くんも私と同じ気持ちだったこと。
それをきちんと私に伝えてくれたこと。
まだ何かが始まったわけじゃ無いかもしれないけれど、海人くんのお陰でようやくスタートラインに立てた気がした。
「‥‥私もずっと同じこと思ってた」
「だったらいいなって思ってた」
お互いバッグやポケットからスマホを取り出し、私のQRカードを海人くんのスマホが読み取る。
程なくして海人くんのアイコンが表示され、私もそれをタップし友達に追加する。
海人くんのアイコンは、私が買ってきた猫じゃらしに両手を広げて遊ぶヒュウガの写真だった。
「今日も送ってくれてありがとう」
「こちらこそ連絡先教えてくれてありがとう」
「それは私もありがとう」
ふふふ、と小さく笑い合う。
海人くんがまた鼻を軽く触る。
「じゃあおやすみ」
「おやすみなさい」
外階段を上がり恒例となった無言のバイバイをして家の中に入る。
手を洗ってからスマホを握ったままベッドに寝転がると、メッセージを受信してスマホが震えた。
開けばさっき別れたばかりの海人くんからで、思わず顔が綻ぶ。
"これからよろしくね(^^)
090-××××-××××
こっちも登録しといてね"
‥‥‥電話番号ってなんか嬉しいなぁ。
だって知らなくても、今時アプリで電話ができる時代なのに、わざわざ教えてくれるなんて。
ちょっと特別な感じがする。
"こちらこそよろしくね(^^)
090-××××-××××
私のも登録お願いします"
今日知ったこと。
海人くんの連絡先。メッセージアプリのアイコン。
電話番号。好きなアイス。
それから、海人くんが私と同じ気持ちでいてくれたということ。
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あさひ(プロフ) - まきこさん» まきこさんまたお話できて嬉しいです♪いつもコメントして頂いて嬉しく思ってます！こちらこそありがとうございます(*＾＾*) (2021年3月4日 17時) (
レス) id: 5905b0feb8 (このIDを非表示/違反報告)
まきこ(プロフ) - 新作！嬉しいです^_^海ちゃんの人懐っこさが出ていてもう既に可愛いですね！毎回コメントしてごめんなさいー！あさひさんのお話大好きなので嬉しくて(^^)また楽しみが増えました！ありがとうございます(^^) (2021年3月4日 8時) (レス) id: cfbbd37a93 (このIDを非表示/違反報告)
あさひ(プロフ) - ぽんさん» すみません、教えて頂き有難うございます！以後気をつけます！ (2021年3月4日 4時) (レス) id: 5905b0feb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あさひ | 作成日時：2021年3月4日 4時
