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「今日遅いって江津子さんが」
「お客さん居ないから早上がりしちゃった！もう帰るの？」
「はい」
「じゃあ送ってきます」
「え、でも会いにきたんじゃ」
「うん。でも今日はAちゃんがお世話してくれたみたいだし」
遊んで江津子さんと楽しくお茶を飲んでただけです、とは言えなかった。
だんまりしていると、彼はふっと息を吐くように笑って、「帰りましょう」と言った。
夏の夜のぬるい風が2人の間を吹き抜ける。
「そういえば、猫ちゃんの名前ヒュウガになったんですね」
「そうそう。俺も昨日昼過ぎに行ったらえっちゃんがいきなり"ヒュウガ〜"って呼んでてびっくりした。
可愛いよねヒュウガ」
「可愛いですヒュウガ」
「ねえ、なんでヒュウガになったか聞いた？」
「聞いてないです」
「朝の情報番組に女の子のアイドルグループが出てて、その子たちの名前が"ヒュウガザカ"だったからって(笑)」
「ひゅ、ひゅうがざか？」
「ってなるじゃん(笑)よくよく考えたらそれ"
えっちゃんに教えたら"じゃあ今からヒナタにする？"って(笑)」
「あはは、日向坂かぁ」
「今更変えるのもヒュウガに悪いからそのままヒュウガになったんだよ。
てか日向をヒュウガって読む方がムズくない？」
なんとも可愛らしいエピソードに笑いが絶えない。
あっという間に彼のアパートの前に着いた。
「ここで大丈夫です」
「ちゃんと送るよ」
「もうすぐそこなんで」
「すぐそこって言うなら逆に送ります！」
更に数十メートル進み私のアパートに着いて、ここで今度こそお別れだ。
名残惜しいけれど、それを止める権利を私は持っていない。
「今日もありがとうございました」
「とんでもないです」
「あっ、そうだ。私の職場の商品なんですけど、これよかったら」
「え！嬉しい！ありがとう！超美味しそう」
大袈裟なくらいに喜ぶ彼を見て、私も嬉しくなる。
「それじゃあ、おやすみなさい」
「おやすみなさい」
外階段を上がり、部屋の前で彼の方を振り返ると彼もこっちを向いている。
街灯に照らされた彼が笑顔で小さく手を振った。
私もまたそれに応えてから部屋に入った。
本当は彼の背中が見えなくなるまで見つめていたかった。
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あさひ(プロフ) - まきこさん» まきこさんまたお話できて嬉しいです♪いつもコメントして頂いて嬉しく思ってます！こちらこそありがとうございます(*＾＾*) (2021年3月4日 17時) (
レス) id: 5905b0feb8 (このIDを非表示/違反報告)
まきこ(プロフ) - 新作！嬉しいです^_^海ちゃんの人懐っこさが出ていてもう既に可愛いですね！毎回コメントしてごめんなさいー！あさひさんのお話大好きなので嬉しくて(^^)また楽しみが増えました！ありがとうございます(^^) (2021年3月4日 8時) (レス) id: cfbbd37a93 (このIDを非表示/違反報告)
あさひ(プロフ) - ぽんさん» すみません、教えて頂き有難うございます！以後気をつけます！ (2021年3月4日 4時) (レス) id: 5905b0feb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あさひ | 作成日時：2021年3月4日 4時
