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来た道のとおりに帰りも同じ道を辿って、子猫を拾った電柱の前に着いた。
「うちココです」
「本当？俺んちあれ。めっちゃ近いね」
そう言って指をさしたのは、先程通ってきた道沿いにあるアパートだった。
「ごめんなさい、過ぎちゃいましたね」
「こんなの過ぎた内に入らんです！誤差誤差！」
「ふふ、送ってくれてありがとうございました」
「いえいえとんでもないです！
あ、俺明日休みなんで猫ちゃんのお世話は任せてください」
「いいんですか？」
「うん全然！それにえっちゃんも"お世話は私がするから来れるときに来てくれればいいよ"って言ってたし」
「じゃあ明日はお任せします」
「任された！」
「よろしくお願いします」
それじゃあおやすみなさい、と手を振って彼と別れる。外階段を上がって子猫を探した時のように柵から少しだけ身を乗り出し彼の背中を見つめると、彼もくるっと振り返り、口パクで"おやすみ"と言って小さく右手を振った。
私も同じように右手を小さく振り返した。
夕方に一度鍵を落としたけれど、今度は落とさずに鍵穴に差し込んだ。
ガチャリと音を立てたのを確認してドアを手前に引くと、中は真っ暗でしんとしている。
これが一人暮らしの辛いところだ。
誰かと過ごして楽しかった時間から、一気にひとりぼっちの現実に引き戻される。
左側の壁に付いている電気のスイッチを手探りで押しパッと明るくなった室内に、今度は瞳孔が追い付かず目の奥がツンと痛くなった。
スニーカーを脱いで「ただいま」と挨拶をする。
部屋へ続くドアを開けると冷気が全身を通り過ぎて行った。どうやら今朝、エアコンを消し忘れたらしい。
電気代が勿体無い。厄日はまだ終わっていなかったらしい。
すっかり遅くなってしまったので今から晩御飯を作る気も起きず、シャワーを浴びて髪を乾かし歯を磨いてやっとシングルベッドに倒れ込んだ。
長い1日がやっと終わる。
重く落ちていく瞼に逆らうことは出来ず、目を閉じた瞬間にはもう意識が飛んでいたと思う。
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あさひ(プロフ) - まきこさん» まきこさんまたお話できて嬉しいです♪いつもコメントして頂いて嬉しく思ってます！こちらこそありがとうございます(*＾＾*) (2021年3月4日 17時) (
レス) id: 5905b0feb8 (このIDを非表示/違反報告)
まきこ(プロフ) - 新作！嬉しいです^_^海ちゃんの人懐っこさが出ていてもう既に可愛いですね！毎回コメントしてごめんなさいー！あさひさんのお話大好きなので嬉しくて(^^)また楽しみが増えました！ありがとうございます(^^) (2021年3月4日 8時) (レス) id: cfbbd37a93 (このIDを非表示/違反報告)
あさひ(プロフ) - ぽんさん» すみません、教えて頂き有難うございます！以後気をつけます！ (2021年3月4日 4時) (レス) id: 5905b0feb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あさひ | 作成日時：2021年3月4日 4時
