恋人まであと一歩 CL ページ27
私の隣の指定席に座る彼は、上映前の静かな空間に少しそわそわしている様だった。
『そんなにこの映画楽しみだったの？』
「あ？あぁ、まあな、映画っつうか何つうか...」
本当かなぁ、私が先日仕事仲間のクリントに一緒に観たいと提案したのはラブロマンスの類いの映画で、彼には悪いがとても似つかわしくない。
正直断られると思っていたくらいだ。でも彼は
「Aに誘われたらなぁ」とOKしてくれた。
実は彼に想いを寄せる私、ご飯に誘うのもやっとなのに、映画なんてデートじみた誘いをするのは内心ドッキドキだった。
でも本当に良かった！来てくれて。
アナウンスと共に照明が落ち始まりを告げる。
何ともむず痒い内容だった。
お決まりのキスシーンでは、何だかちゃんとスクリーンを見られなくて、ちらっと彼を見ると
彼も私を見ていて目が合う。
えっ、どうしよっ、えっと
バッと視線を戻す。
心臓が破裂しそうな程バクバクしている。
とりあえず落ち着こうとドリンクに手を伸ばすと、なぜか同じタイミングで同じそれに伸びた彼の手とぶつかった。
「「っっ！！！」」
二人とも慌てて引っ込める。
ていうかこれ、クリントのじゃん！私のバカ！
こうなったらもうそれどころじゃなくスクリーンに向き直る。
でも気になって、今度は横目で見たクリントは口元に手を当て目を泳がせていた。
映画が終わり立ち上がるけどドキドキしっぱなしで何て声をかけていいかわからない。
そんな彼も頭を掻きながら
「あー、」
『面白くなかった、よね？』
「いや違う！そうじゃない」と笑顔を向けてくれるから本当に優しい。
夜も更けている。
ゆっくりタクシー乗り場まで歩く。
「なあ」
『ん？』
「俺と居て楽しいか？」
『楽しいに決まってるよ』
「そうか」
車道側を歩いてくれる所、歩幅を合わせてくれる所、時折ニコッと私を見る所、彼の良い所にどんどん堕ちていく。
あぁ、好きだなぁ。
ぼーっと歩いていると時々肩がぶつかって、びくりとするけどお互いに避ける事はなく
ついに手の甲が触れ合って私も彼も、あっ...と立ち止まって
『ご、ごめん！』
「別に嫌じゃ、ない」
『え、』
あー、んーと俯くもすぐ顔を上げて
「何でもない！行くぞ」
と私の右手を取って歩きだす。
手、繋いでる...
ぶわっと恥ずかしさが込み上げる。
右手に感覚が集中する。
私より一歩先に歩く彼の左手がすごく熱かった。
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SHIN(プロフ) - 岡Ｐさん» リクエストありがとうございます。クリントのお話書かせていただきました。あっせんぶる�兇砲瓦兇い泙垢里任�手数ですが「小説の続編を見る」からお進みくださいませ。またリクエストございましたらいつでもお待ちしてます。 (11月27日 16時) (
レス) id: 863f965ba6 (このIDを非表示/違反報告)
岡Ｐ(プロフ) - ありがとうございます。ホークアイ（クリント・バートン）のお話をお願いします。楽しみに待っています。 (11月22日 21時) (レス) id: e3d27a2b53 (このIDを非表示/違反報告)
SHIN(プロフ) - 岡Ｐさん» コメント、ご感想ありがとうございます。もし書いてほしいキャラクターがいましたら遠慮なくリクエスト下さい^^ (11月15日 21時) (レス) id: d68ffb9f11 (このIDを非表示/違反報告)
岡Ｐ(プロフ) - お話とても面白かったです。更新楽しみにしています。 (11月15日 20時) (レス) @page50 id: e3d27a2b53 (このIDを非表示/違反報告)
ねむい(プロフ) - SHINさん» いやあああ！ホントですか！是非楽しみに待ってます！😆 (2023年3月31日 1時) (レス) @page16 id: 2803c5262c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SHIN | 作成日時：2022年5月11日 13時
