四話 ページ4
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そのあと二人で話し合い、とりあえず順番に巡って行くことになった。つまり目指すのは一つ目の柱だ。
王都から東の街「ラグィーナ」にある湖に建つのだが、管理は国がしている。
ちなみに他の柱も同じである。当たり前と言えばそうなのだが。
今は王都からラグィーナの中心部まで直通の列車に乗っている。
窓から首を出して外を見ていたライラを危ないからと宥め、エヴァンはふぅ、と一息ついた。
不満そうな顔をしながら窓の外を眺めるライラは、まるで幼い子供のようだ。
『この子はすこ…かなり好奇心旺盛なんです。苦労するでしょうが、何卒宜しくお願いします』
とライラの父親から聞いていたが、その時彼が心配そうな顔をしていたのも納得できる気がする。
これから大変そうだなぁ…と心の中で溜息を吐くと、エヴァンは一旦置いていた本を再び手に取ると、ラグィーナについてのページを開いた。
「エルドラゴの歩き方」…なんだかどこかで聞いたような題名のこの本は、二人が神子と騎士だと知った車掌から旅に便利だろうからと貰ったものだ。
5,60代程の風貌をした彼は旅行が趣味だそうで、20歳頃から色々な国を渡り40を過ぎる頃にはすでにこの大陸の殆どの国を巡り終えていたのだという。
自分も騎士を辞める時が来たら旅行をしてみるのもいいか、と想像をしてみながらもエヴァンは本を読み始めた。
だが内容が気になったのか、読み始めて1分と経たずにライラが横から覗き込んでくる。
「…一緒に読みますか？」
「はい、是非！」
エヴァンは見やすいように本を持ち直すと、改めて読み進める。
ラグィーナ…東の地方を代表する港町で、美しい景観と川や水路の多さから“水の都”と称される。
王都からも比較的近く観光客も多い活気のある街だ。
その役所はなんと潟湖の上に建っている。
その当時あまり目立たない街であったラグィーナを活気づけたいという町民たちの願いからそうなったらしい。
建設当初は反対のデモが起こったりもしたが、今では皆に愛される町のシンボルとなっているようだ。
そのまま読み進めていると、端に付箋が貼り付けてあるのに気づいた。
綺麗な字で丁寧に、本に書かれていない秘密の名所から行く際の注意までが事細かに綴られている。
そしてその付箋は、他のページにも何枚も貼り付けてあった。
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