夏を知らない少年たち2 (ページ7)

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《HiHi Jet》

楽屋が並ぶ廊下をどんどん奥へと進んで行っていると大人達が優斗たちを走り抜けて奥へと進んで行く。

「なにかあったのかな？」

蒼弥が言うと、涼はニヤッとした。

「ね、橋本くん変なこと考えてないよね！？」

優斗は言うと、涼は一瞬でしゅんとした。

「絶対そうじゃん！ダメだよ変なことしちゃ」

「わーってるよ！」

「君たち、ここでなにしてるの？」

とうとう優斗達はスタジオからやってきた番組のTシャツを着たスタッフに声をかけられてしまった。

「えーとそうやん、なんでかな？」

「バカ優斗、俺に擦り付けんなって！」

「年下なんだから責任持ちなよ！」

「それは年上なんだから…でしょ！優斗！」

2人は痴話喧嘩を披露しているとスタッフは装着しているイヤモニに手を当てた。

すると、驚いた顔で優斗達を見つめる。

「……もしかして君たちがHiHi Jet？」

「「「えっ？」」」

3人は声を揃えた。

スタッフは優斗を指差す。

「君、髙橋優斗くんで間違えないよね？」

「は…はい、そうですけど」

スタッフは優斗の手を掴んでこう言った。

「急いで来てもらっていい？打ち合わせしなきゃ」

「え、ええ！？ちょっ、待ってください！」

スタッフは優斗の声も聞かずに手を掴んでスタジオへと走り出した。

「ちょ、ゆうと！」

残された2人は優斗の後を走ってついて行った。