夏を知らない少年たち2 (ページ4)

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《HiHi Jet》

瑞稀は蒼弥と涼を早速呼び出し、マネージャー代理である商人の秘書にも連れてスタジオに入った。

入るなり2人の少年から絡まれる。

「ねぇ君たち…ここに入ってきちゃダメだよ？」

若干褐色肌の少年が向日葵の100倍眩しい笑顔で優斗たちを諭そうとする。

瑞稀は「わぁ…」と呟いてから何も発さなくなってしまったが反応的にキンプリのメンバーだと優斗達は何となく理解していた。

「いや、ちゃうやろ海人ぉ～。この子らが東京B少年やろ？若いのに忙しそうやなぁ～。学校ちゃんと行っとる？」

別の若干褐色肌の少年が関西弁で今度は海人を諭している。

「…いやあの…」

優斗が間違いを正そうとすると、瑞稀が嬉しそうに海人と廉の手を取った。

「僕ら、東京B少年じゃないですけどアイドルやってます！海人くんと廉くんには尊敬しかないです！」

瑞稀は突然ヲタクを発揮した。

「お、おう！ありがとな！」

「君いい子だね！きっと良いアイドルになれるよ！」

2人は優しいかった。
瑞稀の勢いに負けずに話を続けている。

そのまま話し続ける瑞稀を放置して3人は楽屋が並ぶ廊下へ出た。

「やべっ変なところ出てきちゃった…？」

涼が言うと蒼弥はうんと大きく頷いた。
2人の不安を他所に優斗はそのまま前進していると、顔立ちの良い同年代の少年が3人の横を走り抜ける。

「ここって走っていいんだね…」

蒼弥が小さな声で呟く。

「らしいな…」

涼が同調する。

優斗は振り返って走り去っていく少年の後ろ姿を眺めた。
通り抜けて行く時にチラッと見えた顔を思い出すと瑞稀が以前見ていた動画がフラッシュバックする。

『…ビャクヤ……』

優斗が通り抜けた少年が東京B少年のセンターだと気がついた時には雄登の姿は既に無い。

雄登のやけに不安そうな顔が心残りになった。