「人」である基準 (ページ7)

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6.下ばかり見ていると見落とすページ7

. しまった、人に見つかった。
3秒ほどの沈黙。
人間にとって僕の食事は酷いものであるらしいから、見つかると、怒り狂い攻撃して来る奴が殆どだ。面倒だ……。こういう場合は。

逃げる。
先に反応したもの勝ちだ。行き止まりではなかったので、全力で走り出す。もちろん腕は持って行く。

一拍遅れて、人間があ、おい!と追いかけてきた。
入り組んだ路地をまがる。死角になった瞬間、上へ飛ぶ。横の建物の窓枠に足を置く。

真下を通り過ぎていく人間。続けてもう1人。
よく見たら警察官か。逃げて正解だな。
しばらくして、近くで物音がしない事を確認して地面に降りる。諦めてくれたらしい。

全く、食事を邪魔されるのは気分が悪い。人間だって家畜を食べるし、食事を邪魔されると怒るだろう?
せっかくおいしいやつだったのに……。不貞腐れて持ってきた腕の残りを食べる。すぐに骨だけになる。骨まで食べる趣味は無いので、その辺りに放っておく。

血だらけではまた人間に追い回される、と思い姿を変える。10歳ほどの幼子から成人前後の人間へ。服もそれに合わせて変わる。
姿を変える、と言うのはそれなりのエネルギーを使う。なので余程の事が無いと変えたくはないが、仕方ないだろう。しかし、丸一日寝ていないのもあり眠くなってきた。
人が来ないであろう物陰を見つけ、そこで眠りについた。