「人」である基準 (ページ22)

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21.唐突白封筒ページ22

. ベガから僕の記憶も消したし、吸血した後も舐めて消したし、これで僕はA・ヴァイスという仮の姿を得たわけだ。これで帰るまでに死ぬなんてことは無いな。後は帰れるのを待つだけ。

数日、ベガと過ごしているが、特に不自然なことは無いらしい。平穏に過ごしている。

ちなみに、もう一度記憶をいじって、部屋は最初から、黒いゲストルームだったことにした。Aの部屋は窓があったから。こっそり荷物移動するのは大変だった……。

余談だが、A・ヴァイスは女子だった。普段の格好は中性的だったが、意外に部屋は可愛らしかった。小物はそれを使う。僕には性別は無いのでどちらでも良いが。

昼夜逆転生活にも慣れてしまったが、やはり朝起きるのはつらい。

今日は朝からベガに叩き起こされた。うるさい、もっと寝させろ……朝日は嫌いだ……。窓がない部屋に居させろ……。
「A‼雄英からの通知だから‼見なさい‼目覚めたでしょ‼最近朝弱すぎよ!」
差し出されるというより押し付けられる白い封筒。

ゆうえい……なんか言ってたな……。見ればいいのか……。
半強制的にだが椅子に座って、ぺりっと開封してひっくり返してみる。中からは薄い紙切れと丸いもの。カタン、と机に落ちた丸いものは、ジー、と音を立てはじめ、突然上方に映像を映し出した。

「うわ……」
なんだこれ？ひとはこういうものも作るのか。
映像には大男が映っている。あ、こいつは図書館で調べたときに見た……。テレビにもよく映っている、えっと名前なんだっけ……。
「私が投影された!」

「オールマイト……?」
そうそれ。