15.新情報獲得 ページ16
. 姿が見えなくなって、ベガがこっちを向く。
「あのね、あの子は雄英を受けるのよ、私心配でたまらないわ!」
大丈夫かしら……と、親子お揃いの白髪をいじって落ち着かなさそうだ。
放っていてもする事がないしどうしようもない雰囲気なので、取り敢えず喋りかける。
「あの、雄英って何です……?」
と言うと、今の僕の目線に合わせてしゃがんで、勢いよくこちらの手を握ってきた。お、おう。元気だな。
「Aちゃん雄英知らない?あ、覚えてないのか。雄英と言えばね、日本の高校でも偏差値トップのヒーロー科があるのよ!倍率がもの凄くてね、あの子なら大丈夫だと思うけどそれでも」
「ベガさん、分かりました、ありがとうございます」
声が大きい!今近いから‼
なるほど、ヒーローというのは学校で勉強してなるものなのか。それで(僕じゃない)Aはそのトップの高校を受ける、と。
「Aって強いんだな……」
「そうなのよ! あの子は風船しか操れない私と違って、物を操るのよ、本当何処からそんな遺伝子が混ざったのか! お父さんもそんな個性じゃないし……あ、ごめんなさいね、また喋りすぎてしまったわ……」
自分で止まった⁉初めて見た。……じゃなくて!
「物を操る? それはどういう」
「ああ、あのね、あの子の個性は念動力。物に触れずにその物を動かす、と言うのが正しいのかしらね。操るって言ってもその物体の形を変えたりは出来ないし、液体はあまり動かせないって言ってたわ」
「なるほど……。凄いですね」
「でしょう、私の自慢の子よ!」
なるほど……?
そうならこれは……。
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作者名：メルキュール | 作成日時：2020年5月18日 18時
