「人」である基準 (ページ14)

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13.マジックワードページ14

. 「目を覚まして良かったー!あなた路地で倒れてたのよ?放っておけなくて!何であんな所いたんでしょうね、覚えてる?ああ、突然言われても誰って感じよね、ごめんなさいねー、私よく言われるのよあなたは」
「お母さんストップ!びっくりしてる」
息継ぎした?してないよな。よく息持つな。

「……寝起きに突然ごめんね、ボクはA。A・ヴァイス。こっちはベガ、ボクの母。お母さんが君が倒れていたところを連れてきたんだ。君の名前は?」子供の方、僕と同じ名だ。
「僕の名前もA。心遣い感謝します」

「まぁ、うちの子と同じ名前!あなた、小学生ぐらいに見えるけど何歳?何であんな所にいたか覚えてる?近頃物騒だから心配」
「お母さん、ストップ」
呆れたように子供は言って、白髪を揺らす。黒が多い部屋の中でとても目立つ。苦労人なのか。関係無いが、中性的な顔立ちだな。どっちかな。どっちでもいいが。

率直に、思った事を口に出す。
「息継ぎしてます?」
「ああ、初めはびっくりされるの。でも私、風船を操る個性なの、その為に肺活量を鍛えているから息継ぎしなくて平気よ」
「個性……」
個性って言ったな。

という事は、帰れていない。これではっきりした。
僕は何故連れてこられる時に気づかなかったんだ?
何故?予測が全く合っていないのか?帰れるよな?

「それで、あなた、なんであんな所にいたのか覚えてる?」

迷子設定を考えるのも面倒なので、
この世界に来て2度目の魔法の言葉を使おう。

「何も、覚えてないです。名前以外」