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II ページ4

シアンside



何とか、リリア兄様の歓迎パーティディナーは回避出来た。匂いだけで魂が枯れるからキッチンに立たないで欲しいし全て目分量で入れないで欲しいし勝手な隠し味を入れないで欲しい。



だけど、リリア兄様の台所姿は久々に見たな。


朝起きて城の花の手入れや王宮関係者の子供達の世話や会議。そして墓参りの毎日。


何百年、これの繰り返し。時々リリア兄様が子供達におやつ作ると言いながら台所に向かう背中は全員で止めた。


子供達の笑顔を見れば、確かに気持ちが楽になる。無邪気に笑う妹が今も生きていたらもっと世界はブルーベリーの花で埋め尽くされていただろう。



今は割り当てられた自室で荷解きをしている。



予めセベクが用意していてくれてたものだ。セベクは赤らめながら、


「せめて下着類はまとめて置いてください....」と言っていた。確かに気持ちは分かるが、何百年経っても、女というものは分からない。


妹が生きていた頃は確かに下は履いていたものの、成長するにつれこんなにも胸元の肉付きが良くなるとは思わなかった。



他にセベクが用意してくれたのは、寝巻きや彼岸花(リコリス)の香りがするヘアシャンプーやコンディショナー。ドライヤーにヘアアイロン。化粧品や化粧水、乳液までもある。



大切なこの身体に、傷をつける訳には行かない。

III→←I



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作者名:az汰 | 作成日時:2022年8月3日 13時

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