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もうすぐ夜が来る。
家の前まで送り届けてくれた佐久間の顔は晴れやかだった。
「あー、やっぱ手放したくなねえな〜。カッコつけたくせにダメだ俺、超ダサい」
「そんなことないよ」
「最後だから。これで終わりにする」
「うん？」
「A、まーじで好きだった！大好きだった！」
ニカッと笑ってみせる佐久間。
最後まで与えられてばかりだ。
「じゃあ、帰るね」
「うん」
「中入って」
「分かった」
「バイバイA」
「バイバイ佐久間」
始まりがあれば終わりがある。
朝が来ればやがては夜になる。
佐久間。
次は終わりのないものを見つけてね。
引き伸ばさなくても、繋ぎ止めなくても、佐久間に寄り添って一緒に並んで歩いてくれる人を見つけてね。
これはただの綺麗事。戯言。
だから心の中で願うだけ。
どうか佐久間が幸せになりますように。
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作者名：あさひ | 作成日時：2021年9月13日 3時
