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「何突っ立ってんの。こっちおいで」
いざこうなってしまうと緊張でどうにかなりそうだ。
自分が望んだことなのにどうかしている。
ダブルベッドに寝っ転がり掛け布団を捲った状態で待ってくれている辰哉くんの横に無言で寝転ぶ。
寝る体制が整ったのを見計らって辰哉くんが私の上に布団を優しく被せた。
辰哉くんの匂いがする部屋着を着て、辰哉くんの匂いがする布団に包まれ、すぐ隣には辰哉くんの温度を感じる。
疲れているはずなのに頭も脳も冴えていて目を閉じる気にもならない。
仕方なく天井に付いた火災報知器をじっと見ていたら、「電気消すよ〜」と辰哉くんの声。
程なくして部屋は真っ暗闇に包まれた。
おやすみも言わないまま何も見えなくなって、体感で30分くらい経った頃。
「寝た？」
と小さな声で話しかけられた。
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作者名：あさひ | 作成日時：2021年9月13日 3時
