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「いいの、？」
「いいよ？おいでおいで」
別にお兄ちゃんなんだから、家族なんだから。
こんなことがあったっておかしくないでしょ？
心の中で言い訳を唱えて、悪いことをしているわけじゃないと言い聞かせた。
頭の中にチラつく佐久間の笑顔に罪悪感を感じたことにも気がつかないふりをする。
「よし、今度こそ帰ろ」
そう言うと辰哉くんは着ているモッズコートを脱いで、私の肩にかけた。
「寒くないよ？」
「や、ちょっとそれ、エ ロいじゃん」
「はぁ？」
「いや俺は慣れてるから？平気だけど？その辺歩いてるガキンチョには刺激が強いからさ？」
「慣れてるんだ」
「いいからほら、帰るよ！」
路地裏から何本か道を外れると車通りが多くなって、そこで辰哉くんは慣れたように走るタクシーに向かって手を挙げた。
「どうぞ、お嬢さん」
「やめて恥ずかしいから」
と言いつつも差し出された手に自分の手を重ねて後からタクシーに乗り込む。
「XXまでお願いします」
行き先を伝える姿も様になっている。
大学生の私にはタクシーなんて殆ど縁がないけど、社会人2年目の辰哉くんはよく使うのかな。
時速60kmで夜の街が流れて行く。
辰哉くん。
未だに手が繋がっているままなことに、理由はある？
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あさひ(プロフ) - さーちゃんさん» コメントありがとうございます(*＾＾*)はい！楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2021年9月13日 5時) (
レス) id: f365e4c797 (このIDを非表示/違反報告)
さーちゃん(プロフ) - 更新楽しみにしています。無理なく頑張って下さい。 (2021年9月12日 11時) (レス) id: 645033c6ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あさひ | 作成日時：2021年9月2日 2時
