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「…ん」



重たい瞼を開けると、久しぶりのように感じた光が染みた。その感覚に痛みを感じ、もう一度目を閉じようとしたけれど、自分の状況を理解しなくてはと思い、体を起こす。

白い部屋、点滴で繋がれた手首、辺りは静かで殺風景だった。どこかの病院なんだろう、ぼうっとする頭で記憶を探る。



「…助けて、くれたんだ……」



" 小田島くん "



聞こえない位に掠れた声で、彼の名を呼んだ。抱きしめられた時、小田島くんの熱を感じて、それに安堵してから記憶がない。どうなったのだろうか、みんなは無事なのだろうか。

そんな時、病室の扉が開いて。反射的に視線を向けるとそこには。



「小田島、くん…」



彼から言葉はなかった。だけど、大きく開いた瞳と傷だらけの体。そして口元に残る、痣。

ゆっくり近付いてきて、小さな椅子に座る。そのまま、掌が頬を撫でた。そして腕を引かれて、強く強く抱きしめられた。



「葵…っ」



" ごめんなァ、助けんの遅くなって "



絞り出すような、小さな声は震えてた。



「…ううん。…助けてくれたじゃない」

「っ当たり前でしょ…」

「ありがと、小田島くん…みんなも」

「……葵が、」

「ん…?」

「倉庫にいた葵の顔が白いし、冷てえし…俺、ほんと、こわくて」

「…小田島くんも怖いなんて感じるんだね」

「……うん。俺さァ」

「…なあに?」

「やっぱり葵ちゃんいねえとだめみたい」



ーーー生きた心地しねえんだよなァ…



あの時感じた小田島くんの、抱きしめる力や熱がやっぱり今も心地よい。それのせいで、閉じ込めていた気持ちが溢れてしまいそう。

私は小田島くんがだいすき。

どんなに怖い目に合っても、傷付けられても、生きている世界が違くても、これから先またこんなことがあったりすごく綺麗なライバルが現れても。きっと、この気持ちだけは変わらない。



「…じゃあさ、また私を小田島くんの彼女にしてくれる?」

「…うん。なって」

「もう別れようとか言わないから…」

「…言わせねえようにするから」

「ね、…小田島くん」

「ん…?」

「すきだよ、……だいすき」

「……ん」

「もう、離さないでね」

「…りょーかい」



視線が交ざる。小田島くんがサングラスを外す。そのまま、優しいキスをしてくれた。触れるだけの、繊細なキス。それなのに、こんなに想いが伝わるキスは初めてだった。

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aoi(プロフ) - みさももさん» そうなのですね!!うれしいです*甘ったるい中に、少しどろっとしたものを持っているような、そんな感じで描いていこうと思ってます!更新がんばります* (2019年11月20日 16時) (レス) id: fdd157f3df (このIDを非表示/違反報告)
みさもも(プロフ) - 私の中の小田島くんのイメージにぴったりなんです!あまあまだけどやる時はやる男と言うか、、、だから大好きです!これからも愛読させていただきます! (2019年11月19日 23時) (レス) id: 9abd401940 (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - みさももさん» こんばんは、コメントありがとうございます*すっごくうれしいです!私の描く小田島くんは、少し優しすぎると言いますか、女々しいかな、なんて思いながら描いていたので、励みになりました。これからよろしくお願いします! (2019年11月18日 21時) (レス) id: fdd157f3df (このIDを非表示/違反報告)
みさもも(プロフ) - 初めてコメントします!私的に小田島くん小説で一番大好きです!更新ファイトです! (2019年11月18日 21時) (レス) id: 9abd401940 (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - ぱんださん» コメントありがとうございます。鳳仙の絆すばらしいですよね…!更新お待ちいただけるとうれしいです* (2019年11月18日 17時) (レス) id: fdd157f3df (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:aoi | 作成日時:2019年11月12日 22時

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